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中原区 人物風土記

公開日:2014.05.09

区内でレスリングを教えるプロレスラーの
本田 多聞(たもん)さん
横浜市在住 50歳

我慢の精神を子どもたちへ



 ○…子どもたちを前にして大きな声でゲキが飛ぶ。下小田中の内藤アカデミーの体育館で毎週土曜日、幼稚園児や小・中学生にレスリングを教えている。「団体を辞めてフリーになったら、試合が減った。歳のせいもあるけど、自分のレスリングを下の世代に伝える時がきたと思った」と振り返る。5年目を迎えるスクールで世界で1番をめざせる子を育てるつもりだ。



 〇…レスリングに興味を持ったのは小学3年。父が出入りしていた自衛隊体育学校で、練習後の選手たちと遊んでいたのがきっかけ。「五輪に出場した選手らと体をぶつけあう中でレスリングの虜になっていった」。強くなるため、茨城の土浦日大高校、日大へと進学し競技に打ち込んだ。それが糧となり、3度の五輪に出場し、ロサンゼルス大会では5位入賞。アジア選手権優勝のほか、全日本選手権では8回の優勝を誇る。その後、活躍の場をプロレスに移し、いくつもの華々しい結果を残す。今も団体には所属せずフリーでリングに上がるバリバリの現役だ。



 〇…スポーツ一家で育ち、父はカヌーで五輪に出場した経歴を持つ。サッカーのACミランに所属する本田圭佑選手とは父親が従兄弟同士。「同じ血を引く『本田』として世界で活躍してくれると嬉しいし、自分もがんばろうと思える」と活躍を心から喜ぶ。ピアノ講師の夫人からは「子どもとの接し方や褒め方を教えてもらった」。練習では、夫婦で子どもたちに熱い視線を送っている。



 〇…「子どもたちには我慢を学んでほしい」。競っている状況で、こらえられるかは勝敗を大きく左右する。「我慢することはあきらめないで、チャンスで力を発揮するということ」と強調する。「ルールを守る、マナーをわきまえる、緊張をこらえる。全て我慢するということ」と話す。「我慢のレスリング」を子どもたちに受け継いで、レスリングの裾野拡大に全身全霊で取り組んでいく。

 

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