中原区 人物風土記
公開日:2014.11.21
ドマーニ日本橋で11月24日まで個展を開いている押し花作家の
庄村(しょうむら)昌子(しょうこ)さん
井田在住 58歳
今以上の輝きを作品に
○…今年で10回目を迎えたドマーニ日本橋での押し花展。高級家具のショールームに作品を飾るという一風変わった個展には、大小約130点の作品が家具と一緒に会場に散りばめられ、来場者を楽しませている。「家具と押し花のコラボを見てほしい。そして、個展の魅力はここに来るだけで、四季折々の花を自然の色のままに見られること。一人でも多くの方に喜んでもらいたい」
〇…作家として初めて個展を開いたのが2000年。それまでは押し花作家になりたいわけではなかった。きっかけは知人に手紙を送る際に押し花カードを同封していたこと。それが巡って個展主催者の目に留まり、本格的に制作を始めた。これまでにルーブル美術館で開催された作品展での印象派賞をはじめ、海外の展覧会で賞を受賞している。押し花の魅力は作品に魂があること。「本物がそのまま作品になるので飽きがこない」と目を輝かせる。
〇…押し花に使う花は群馬県の農園で自ら育てている。その花を時期を見極め摘み取り、水分を抜き乾燥させ、下準備をした上で制作にとりかかる。下絵を描かず、インスピレーションを大事にし一気に仕上げるのが庄村流。「何も考えず無にならないと作れない」。花は劣化していくため、真空処理するまでは時間との勝負。それでも押しあがりで色が変わったり、花弁が飛び散って失敗することもある。そのような時は「もっと上手に作れる」と前向きに捉え、花が今以上に輝くようにと試行錯誤する。
〇…岩手県大槌町の出身。18歳の時に川崎市に移り住み、その後、中原区にアトリエを構えた。家族は夫と2人の娘。夫は花を育て、娘はマネージメントを行うなど、家族でサポートする。「家族の協力があって押し花を続けられている」。家族の話になると感謝の言葉が尽きない。「これからも個展を開催していきたいし、元気に押し花を続けていきたいですね」
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