川崎市内緑化推進と緑保全を掲げた10カ年の基本計画案を、市が公表した。1995年の策定以来、2度目の改定。緑化や保全活動の後継者不足など課題を踏まえ、市は2018年度からの始動に向け、意見公募(パブリックコメント)を25日まで実施している。
2016年現在、市内の緑の施策展開実績は約4319haで、市域面積の約29・9%。新計画案では市域面積の31・4%(4532ha)まで約200ha(200万平方メートル)増加させることを目標に設定している。そのためには樹林地、公園、緑化地の面積を増やし、農地の保全や水辺空間の利活用なども必要となる。
協働・連携深め課題解決図る
市内の緑の保全、緑化推進の実態については、学識者や市民らによる審議会で約2年間話し合われてきた。これまで緑に関わる団体の数が増加し、活動範囲も拡大されてきたが、団体の後継者が不足していることや、市南部エリアでの市民満足度の低さ、公園や緑の質の維持向上、多摩川のさらなる活用などが課題として抽出された。
そこで市は今回、市民や民間企業、NPO、大学などと連携を深め、多摩川や多摩丘陵を軸、公園や農地を拠点とし、持続できる協働の仕組みづくりをめざす。新計画案には、多摩川周辺の休憩・交流スポット創出やサイクリングコース延伸、南部では渋川・平瀬川支川などの水辺空間の整備、市民植樹運動の本数増なども盛り込まれ、緑を守り、育て、活用し、さまざまな人々が協働する「グリーンコミュニティ」形成を図る。
市の担当者は「これまで緑に関わりのなかった人々も巻き込んで取り組んでいきたい」と話す。
市は現在、同計画案のパブリックコメントも行っている。応募は市みどりの企画管理課(【FAX】044・200・3973)へ。
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