「カワサキ ロミオ&ジュリエット」の翻訳、脚色、演出を務める Ash(アッシュ)(本名:大西彩香)さん 小杉町在住 42歳
光と闇をカワサキで描く
○…劇作家シェイクスピアの「ロミオ&ジュリエット」を独自の視点で音楽劇にアレンジした。ラゾーナ川崎プラザソル(幸区)の開館12年を記念した公演で、今月11日まで上演する。220年後の川崎っぽい街を舞台に、込めたメッセージは「文化はケンカより強い!」。歌やラップ、クラシック、ブレイクダンスなど様々な表現を使って、大人同士の抗争、若者と大人の世代間の隔絶など、普遍的な恋愛を軸に様々な対立を描く。「その雑多さが川崎らしさにつながっている。川崎に内在する問題は全国にも通じる。たくさんの人に見てもらって、演劇の面白さを感じてもらえれば」
○…東京都出身。高校生でミュージカルに目覚め、進学後は休学して渡米。世界各都市を回る一座のメンバーとして、ミュージカルやサーカスの舞台に立った。そこでふと感じたのは「なぜ英語で演じてるんだろう」という疑問。発音が悪くオーディションに落ちることも多かったという。「日本語で日本の音楽劇を作って、それを世界に発信して、見返してやりたいと思いましたね」。帰国後、東京芸術大学へ入学。在学中に演出家として本格的に活動を開始。昨年には、若手の登竜門「利賀演劇人コンクール」で優秀演出家賞を受賞。「少しずつでも積みあがってきたものがあるのかもしれない」と自信を見せる。
○…結婚を機に川崎へ。県立川崎高校演劇部で外部講師を務め、現在は同校卒業生で結成した「カワサキアリス」を主宰している。「根をおろしたな」と感じたのは出産してから。子育てを通じて地域のコミュニティが広がった。「人間の闇も光も描かなきゃいけない演出家にとって、すごく魅力的な街。どちらか一方に偏っては面白くない。便利さも、人情味も、問題もあるのが川崎のいいところ」
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4月19日
4月12日