川崎市は8月9日、昨年4月に開設した市コンベンションホール(小杉町2)の初年度の事業実績などを公表した。収入は計画の7割の約7千9百万円にとどまり、稼働率はホールが38%、会議室が59%で、いずれも計画を下回った。
市が公表したのは収支計画・実績、利用者満足度、サービス向上・業務改善など項目ごとの評価。収入は計画の約1億1千万円に対し約7千9百万円で、達成率は71%。計画よりおよそ3千2百万円下回ったが、支出を抑えたことを評価委員会は評価した。また、利用者満足度アンケートでは、「また利用したい」との声が87%あり、目標を上回ったが、回収件数が目標を下回ったことを指摘している。
ホールと会議室の稼働率が計画に届かなかったことについて市担当者は「当初、下見に来ていた人の利用が無かったなど見込みが外れたこともあるが38%は低い。認知度が低く周知が足りなかった」と話す。実際に、講演会を開いた主催者は「駅から近くて参加者には好評だった。しかし、事前準備の時間も料金に含まれるので、予算をオーバーしてしまった」との意見も聞かれた。
同ホールは市経済労働局所管で、公共施設の管理運営を民間企業やNPO法人に委託する指定管理者制度により、(株)コンベンションリンケージが運営を行っている。年度ごとの事業実績を市に報告し、運営状況などについて評価される。
評価委員会は、全体的な評価として大きなトラブルもなく開設初年度を終えたことは適切な施設運営を実施したと評価する一方で、ホールの稼働率が目標に届くように周知を図ることを指導していくとまとめている。ホール運営者は評価に対しては「コメントする立場にはない」としている。
なお、同ホールは武蔵小杉駅徒歩約5分の場所に立地、企業や研究機関を対象に、国際会議や講演会などのビジネス利用を想定して大きなホールが建設された。
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