区内を拠点に、ハンドボールの普及に努める 光武(みつたけ) 勉さん 上小田中在勤 41歳
「勝敗以外の大切さ」胸に
○…地元で受け継がれてきたハンドボールの輪を広げるため全精力を注ぐ。中学時代の恩師と立ち上げた教室「川崎ハンドボールアカデミー」では、児童に技術指導や人間性の成長を促し、クラブチーム化も目指す。今年4月には、保護者や関係者から寄付を募り、練習場の新城小学校に専用ゴールを寄贈した。「中原区周辺は経験者が多いし、自分を育ててくれた競技に恩返ししたくて」
○…少年時代は体操好きで、鉄棒の大車輪、校内でバック転などに興じた。宮内中では体操部がなかったためハンドボール部へ。顧問から「将来サーカスをやれ」と評されるほどの跳躍力と身体能力を発揮し、県選抜入りを果たすと、全国屈指の強豪・横浜商工高校に特待生として入学。インターハイで優勝、得点王にも輝いた。国士舘大を経て実業団への道も考えたが、「自ら何かをしたい」と模索し後進育成に照準。競技を通じ、津波で家を失った小学生、白血病と闘う高校生ら選手を励ます企画を行ってきた。その真摯な姿勢に、協力者は全国に広がる。
○…ハンドボール店を経営。元実業団選手の妻と3児の子育てにも励む中、今年4月に突如、くも膜下出血で倒れた。「家族は死を覚悟したみたい」。約1カ月の入院中、仲間から数多くの見舞いが寄せられ、周囲への感謝を再認識。白血病で他界した高校生に思いを馳せ、ドナー登録を動画で呼びかける企画も。
○…気掛かりなのは、「レギュラーになれないから」と好きな競技をやめてしまう子ども達。「そんな理由で諦めてほしくない。プロになれるのなんて一握り。勝ち負けだけじゃない、純粋な楽しさや仲間の大切さも伝えたい」。夢は川崎に専用アリーナを置くこと。多くの仲間と、子ども達の未来を思い描く。
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4月19日
4月12日