中原区 人物風土記
公開日:2021.12.24
廃材に新たな命を与える作品づくりをしている おちを考えアイデア練る
絵描き屋みかんさん(本名:藤山 貴子)
西加瀬在住 49歳
○…きっかけは「捨てるのが面倒だったから。作品に変えれば、それはもうゴミじゃない」。作品を見た人が廃材の再利用に気づき、驚いてくれたら狙い通り。「何気なく捨てているものを、アート作品としてもう一花咲かせてあげたい」。使用済み封筒は宛名を消して切り絵の材料に、ペットボトルからはがしたラベルは光を通す素材として使うアイデアを実践。廃材を再利用し、今では「SDGsアート」と呼ぶ作品を10年以上前からつくり続けてきた。
○…今夏には、中原区パラリンピック聖火採火式で使用した背景パネルのデザインと作成を担当。区のマークや花をモチーフにしたリースの周りには、区民が折り紙に書いたメッセージをちりばめた。「応援しているという声がたくさん集まり、選手たちを後押しする作品になった」。春には来庁者向けに区役所館内を装飾したり、12月は「なかはら子ども未来フェスタ」の会場でワークショップも企画した。
○…ユニークな作家名は、中原市民館の文化イベントに初めて出品する際に考えた。「みかん」と付けたのは、振り向いたらそこにミカンがあったから。「実はミカンはあまり好きじゃない。本当はリンゴが好きだけど、名前にはしないかな」。どこかにおちをつけたがる少しあまのじゃくな性格は、あえて廃材を使った作品づくりにも表れている。
○…夫の助言で4年間、子育てをしながら美術大学へ通った。子どもたちに対し母親らしさはないと自認するが、高校1年の娘と中学2年の息子から「面白いお母さん」と思われていることがうれしい。2月に武蔵小杉で開催する「コスギアート ラ・ファブリカ」が、次の発表の舞台。どんな作品を見せようかとアイデアを練る。
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