戻る

中原区 人物風土記

公開日:2023.08.04

乳幼児向けコワーキング親子サロン「いいんだよひろば」を主宰する
須山 智子さん
区内在住 42歳

「いいんだよ」の思い広げ

 ○…誰かと遊んだりしゃべったり少し眠ったり、子どもと自由に過ごせる場。ちょっと目を離しても、ほかの大人の目がある環境。乳幼児の親子向けのひろばは「地域で『実家』をシェアするイメージ」。子育てママを支えたいと今年4月に本格オープンした。「子どもと少し離れて心にゆとりができることで、産後うつや虐待など社会課題の改善につながれば」

 ○…埼玉県出身。厳格な家庭に育ち「おとなしくて勉強ばかりの子」。活躍する女性国際政治学者らに憧れ、国連で働きたいと早稲田大学で国際法を専攻。海外への思いは3年の時、父が病発覚後3カ月で急逝し一変。闘病の過酷さを目にし生きる意味を考え「医療関係へ」と製薬会社の営業職に就いた。心のケアへの思いが募り、退職し大学院に進学、臨床心理士の道へ。企業に勤め多くの社員の相談に乗り、現在はフリーでカウンセラーとして活動する。

 ○…コロナ禍、児童家庭支援センターで相談員を務め、外出できず実家も頼れず孤立し追い詰められた母親に多く接してきた。「一生懸命努力して自立して、家族ができてもまだ親の手を借りないと子育てができない日本に悔しくなっちゃって」。ひろば立ち上げの原動力をそう語る。自身も2児の母。長女出産後、夫の海外出張で「ワンオペで苦労した」思いも重なる。「大人の手がもう一つあるだけで違う。ひろばではママの仮眠もOK」とにっこり。

 ○…「ママって本当に赤ちゃん好きだね」。中学生と小学生に成長した娘や夫も仕事や家事、ひろばに奔走する姿に「理解がある」と微笑む。息抜きは育児を助け合ってきたママ友たちとの金曜夜の食事会。「本当にママたちの救いになるのは何か」。日々自問し、迷いながらも前へ進む。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

中原区 人物風土記の新着記事

中原区 人物風土記の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS