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中原区 人物風土記

公開日:2024.05.03

着物リメイクを通して寄付活動を行う
山本 芙佐子さん
上平間在住 80歳

地道にコツコツ、人のため

 ○…「不要な着物が洋服としてよみがえり、着る人に喜んでもらえ、それが支援にもつながれば」。趣味の着物リメイク品を販売して得た収益を寄付する活動を2001年から続ける。支援先はその時々で変わるが、昨年のウクライナには約10万円を寄付した。今年は紛争に巻き込まれ多くの子どもたちが負傷しているパレスチナ・ガザ地区への支援を決めた。

 ○…子どものころは内気だったが、高3のときに見た演劇に感銘を受け、地域の劇団に飛び込んだ。しかし、舞台に立つことよりも、団員を支える裏方の仕事に興味を持つように。洋裁を一から学び、衣装づくりも見よう見まねで覚えた。「昔から物をつくることが得意だったから楽しかった」と振り返る。

 ○…平間で子ども食堂を開く活動はもうすぐ10年。月に一度、子どもたちに無料で昼食を振る舞う。「劇団にいたころは30人分の食事を任されていたから、料理を作ることはまったく苦にならない」とほほ笑む。近隣にある平間小で行われている貧困家庭や共働き家庭の児童などへ朝食を提供する取り組みにも、「ひらまこども食堂」として費用負担や食料支援などで協力。「格差が広がり、親の仕事や経済的な事情で児童の食事がおろそかになってはいけない」という思いで、子どもたちを見守り続ける。

 ○…二男一女を育て上げ、今の楽しみは4人の孫の成長。今年小学校に入学した一番下の孫と過ごす時間は「人生最後のご褒美」というほど至福のひとときだ。「ミシンや編み物など、何にでも興味を持つから教えるのが楽しい」。能登半島地震の後、夫と石川県を旅行し、液状化現象などを目の当たりにした。「大きなことはできないけど、自分にできることがあれば力になりたい」

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