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中原区 人物風土記

公開日:2019.05.17

「中原おもちゃドクターの会」を立ち上げた
川田 知志(ともし)さん
横浜市在住 82歳

親子の夢叶える修理人

 ○…壊れたおもちゃの修理を無償で行う「中原おもちゃドクターの会」を今年2月に発足。5月4日に中原市民館で第1回の「おもちゃ病院」を開き、親子やシニア8人が持ち寄ったラジコンやキャラクターのロボットなどを修理した。「1点は大きな修復が必要だったので“入院”で対応した。直ったおもちゃを見て喜ぶ子どもたちの顔を見て、いちばんのやりがいを感じる」と笑顔を見せる。

 ○…徳島県出身。子どもの頃から機械いじりが好きで、時計やラジオを分解したり、組み立て直したり。「中の構造を見るのが面白くてね。でも、元に戻せず親に怒られたこともあったね」。中学時代はレコードプレーヤーを集め、メーカーで異なる音質の違いも追求した。大学進学を機に上京。機械科を専攻し、卒業後も機械設計の仕事を選んだ。現在のグランツリー武蔵小杉の地にあった東京機械製作所で約50年勤めた。「当時周辺は工場地帯でこんなに人は多くなかった。小杉は懐かしいし仲間も多い」。

 ○…子ども2人は独立し現在は夫人と2人暮らし。旅行好きの夫人とは国内外問わずよく旅行に出かける。最近は週末になると、各地のおもちゃ病院にドクターとして参加し、仲間と修理の仕方や部品について話すのが楽しみ。会社仲間とも交流を続けており、年に数回集まりにも参加する。「当時の仲間と昔の苦労話に花を咲かせる時間が楽しくてね」と顔をほころばせる。

 ○…「中原おもちゃ病院」は、今年度残り3回を予定している。昔使っていたおもちゃを修理し子どもや孫が使えるようになるケースもあるという。「すぐに捨てずに、修理すれば実は使えるものがほとんど。物を大切にする気持ちを養ってもらえたら」と穏やかに語った。

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