「児童の安全、地域で守る」 柿生小学区の高齢者が交通整理
「車が通るからちょっと待って。気を付けて帰るんだよ」。下校時間の午後2時半過ぎ。ランドセルを背負った児童たちに優しく声を掛けるのは、今月2日から児童の登下校を見守っている「地域交通安全員」だ。
柿生小学校の通学路は道幅が狭く交通量が多いため、子どもたちの事故を心配する声が多かった。同小では以前から児童の安全を確保するため近隣の町内会などに協力を呼びかけていた。これまでは人員確保の難しさから実現に至っていなかったが、今年に入り、柿生駅前町内会と片平町内会の有志4人が「子どもたちの安全を守る手伝いがしたい」と立ち上がった。
地域交通安全員の配置は川崎市教育委員会に申請し、臨時職員としての委託になる。業務は午前7時半から8時半までと、午後2時から3時半までの一日2回。小田急線柿生駅の交番前と踏切前、学校付近の片平橋の3ヵ所で交通整理を行っている。
特に踏切付近は、車両や人の往来が多く、友達と遊びながら帰ってくる児童の脇を車両が次々と通り抜けていくことも少なくない。梅雨シーズンには児童が傘を差すことで視界が悪くなり、事故の危険性は一層高くなるという。安全員の一人は「事故を未然に防げるようできるだけ力を入れて頑張りたい」と話す。
地域の高齢者が子どもたちのために立ち上がることで、地域の連携も一層深まっている。今月17日には柿生小学校が地域交通安全員を校内に招き、全校生徒が謝意を伝えた。
柿生駅の交番前で交通整理を務める上麻生在住の乾晃さん(77)は「子どもたちは地域の宝。私の孫も柿生小出身なので、私が立っている間は絶対に事故を起こしたくない」と使命感を燃やしている。
柿生小学校の輿水邦夫校長は「町内会の方々には本当に感謝している。学校の安全が守られるのも地域の人々のおかげ。これからも学校と地域で連携していきたい」と話している。
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