川崎市秋季市民柔道大会で9人の優秀賞受賞者を輩出した「嶺心会」を主宰する 小川伸弘さん 岡上在住 38歳
「柔道一筋」の精神伝える
○…市内の柔道愛好家が技を競う「川崎市秋季市民柔道大会」で9人の優秀賞受賞者を輩出した。柔道道場「嶺心会(れいしんかい)」を立ち上げて早7年。最初は5人ほどだった生徒も、45人の大所帯に。「子どもだった一期生がいまや大人になり、教える側になっている」と満足げに微笑む。
○…1972年東京生まれ。わんぱくな少年時代を過ごし、祖母の勧めで小学校3年生の時に柔道を始める。当初は剣道に憧れていたが、「防具が高い」という理由で柔道を習い始めることに。「気付いたら柔道に夢中になっていた。辛いと思ったことは殆どないかもしれない」。わずか3年後には全日本大会に副将として出場するなど、輝かしい成績を残した。中学校でも柔道を続け、藤嶺藤沢高校にスポーツ推薦で進学。1年生の時にヘルニアで腰を痛め、医者に「もう柔道は出来ないだろう」と宣告された。「ものすごいショックだった」。高校卒業後は家業を継ぐも、柔道への熱が冷めず道場に復帰。27歳の時に独立し、嶺心会の代表となった。
○…妻と二人の息子を家族にもつ。「妻とも柔道が縁で出会った。義父も柔道家」。息子2人も柔道を始め、正真正銘の「柔道一家」となった。「妻はなんだかんだと言いながら、裏方の仕事を殆どやってくれている。感謝してもしきれない」と目を細める。週末の楽しみは仲間との食事。「バーベキューなども積極的に開催し、皆とのコミュニケーションをもつようにしている。特に試合後の食事は格別」
○…主宰する嶺心会は毎年のように県の強化選手を輩出する道場になったが、いまだその野望は衰えない。「ここにいる生徒たちを、多くの人を元気付けられるような、みなが知る有名な選手に育てたい」と目を輝かせる。自らの経験から、子どものケガには細心の注意を払うようにしている。「自分と同じ気持ちを味わわせたくないから」。威厳に満ちた横顔も、時折優しい「父」の顔を覗かせる。
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