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麻生区版 公開:2012年5月11日 エリアトップへ

ケアマネジャー&福祉従事者座談会第2弾 「変わりゆく介護事情」―麻生区の場合 法改正から1ヵ月、現場の声を聞く

公開:2012年5月11日

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左から冨貴塚三千代さん(ライフコミューン百合ヶ丘)寺澤伸子さん(ニチイホームはるひ野II番館)森健太郎さん(株式会社ニチイケアパレス)聞き手・藤田早希(本紙記者)山口由晃さん(総生会居宅介護支援センター)弓部康一さん(地域福祉センター金井原苑)笠原泰子さん(さくらの丘)
左から冨貴塚三千代さん(ライフコミューン百合ヶ丘)寺澤伸子さん(ニチイホームはるひ野II番館)森健太郎さん(株式会社ニチイケアパレス)聞き手・藤田早希(本紙記者)山口由晃さん(総生会居宅介護支援センター)弓部康一さん(地域福祉センター金井原苑)笠原泰子さん(さくらの丘)

 「4月に行われた介護保険法改正から1ヵ月―麻生の介護の現場はどう変わったのか」をテーマに、区内で働くケアマネジャー&福祉従事者を招いた座談会を開催した(会場は総生会ロイヤルホーム)。(聞き手・本紙麻生区編集室 藤田早希)

◇ここ数年で、麻生区で介護をされる上で、増えている要望などはありますか?

弓部―私は8年前に介護業界に入ったのですが、当時と比較して、認知症の方や、そのご家族からの相談が増えたように思います。従来は食事、排泄、入浴の3大介護がメインでしたが、近年はコミュニケーションの部分を求められる方が増えたように思います。

寺澤―ご両親と別居されている方が、ご両親のご近所さんから連絡をうけて初めて親の認知症に気づき、あわててホームを探される、というケースも増えてきたように思います。

◇麻生区ならではの傾向はありますか?

冨貴塚―私は以前、百合ヶ丘の団地に住んでいて、以来30年ほど区内に住んでいます。以前は近所に味噌や醤油を借りに行けるような環境でしたが、現在は新興住宅地も増え、地域で認知症の方を支えたり、というのは難しくなっているのかもしれないなと実感しますね。

寺澤―ご家族が日中留守にしているとなかなか一人では外出できず、ずっと家でテレビを見て過ごしていたという話も聞きますね。引きこもりがちになると足腰も弱りますし、デイサービスなどを積極的に利用してもらえるといいのですが。

冨貴塚―女性が働きに出るなどしていたため、以前より麻生区は「日中は人がいない町だ」と言われていました。親に介護が必要になった時に、だれがするのか、というのは今後も課題として出てくると思います。自宅付近の施設にいてもらえれば安心、という声も多いですね。

笠原―麻生区は、山坂が多い地域ですので、何段も階段を昇降しないと、玄関につかないというお宅も多いですね。ヘルパーさんの時間も短縮され、デイサービスには、ドア・トゥ・ドアを超えて、ベッドまでというニーズが増えているように思います。

山口―ご家族が、「これは無理じゃないかな」と思うような所でも、デイサービスの職員とヘルパーさんが力を合わせて、けがをしないように、という努力は皆さんされているかもしれないですね。

冨貴塚―歴史の深さや地形もばらばらなので、同じ区内でも、場所によって事情も変わってくるかと思います。そこも麻生区の特徴かもしれません。

寺澤―私が仕事をしているはるひ野は、新興住宅地で核家族が多いです。ご家族の近くで老後を、ということで、関西から越されてくるご入居者様もいます。知り合いのいない土地で、いかにイキイキとした生活をしてもらうか、というのは取り組んでいる課題の一つです。

◇いかに地域との関わりを持って貰うか、というのも課題になるのですね。

弓部―今年の2月に、高石に新たな地域包括支援センターを立ち上げたのですが、それ以降に立て続けに2件、孤独死がありました。近所づきあいが薄くなっている上、認知症の方が認知症の方を介護する「認・認介護」や、認知症の方を介護していた高齢者が急逝されて―というケースも目立ちます。

◇今回、4月から「地域包括ケア」、つまりは民生委員さんや地域のつながりを前提とした制度へと改正されたわけですが、その点についてはいかがですか?

弓部―実は私の実の母が認知症で、父が介護をしているのですが、一緒に買い物や食事に出かけた時に店員さんがよく「最近見なかったけど、元気してた?」などと話しかけてくれるんです。麻生は確かに新しい住人が多いですが、その分若い人も多い。大学なども多く、幸い過疎化もしていないので、この活気をうまく生かせれば新たな活路が見えるのでは、と思いますね。

笠原―区内には福祉系の大学もありますしね。

◇介護保険法改正から1ヵ月経ちましたが、現場に影響は出ていますか?

山口―居宅では、デイサービスの時間が「6時間から8時間」だったのが、「5時間から7時間」または「7時間から9時間」になりましたね。7時間から9時間の施設が多いので、ご家族の方の負担は減りましたが、利用者様にとっては退屈してしまうことがあるようですね。

笠原―さくらの丘は、デイサービスが7時間になって、以前より1時間増えたんですね。その分、利用者様の苦痛にならないよう、お昼休みを長めにとって、フットケアをしています。その甲斐があって「夕方まであっという間だね」と、今のところ快適に通われています。

山口―事業所によって、様々な工夫をされているんですね。

弓部―今回、レクリエーションに対する加算、「アクティビティ実施加算」が廃止され、デイサービスでも政府の決めた「介護」以外のことがやりづらくなってきましたね。

笠原―確かに、加算があると、決まりが多くなって、本来、利用者様が希望される援助が時間的にやりにくいこともあるでしょうね。まずは利用者様の生活の充実や必要性を考えて計画をたてることが大切ですね。

◇定期的に変わっていく介護保険制度を、うまく活用するにはどうすればいいのでしょうか?

山口―複雑な制度なので、先を読むのはプロでもなかなか難しいのが現状です。ただ、地域に根差した情報やネットワークをもっている地域包括支援センターをよろず相談所として活用するのは非常に有効だと思います。あとは、かかりつけ医などに相談してみるのも良いかもしれません。

◇皆さん、ご協力ありがとうございました。
 

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