DV相談5年で1・8倍に 啓発運動で暴力根絶へ
配偶者や恋人などからのドメスティック・バイオレンス(DV)の相談件数が増加傾向にある。市内における相談件数は、昨年度までの5年間で約1・8倍に増えた。川崎市男女共同参画センター(すくらむ21、三橋君枝館長)は、女性への暴力撲滅を目指す「パープルリボン運動」を推進し、市内でのDV被害の防止を呼び掛けている。
すくらむ21によると、昨年度、川崎市内におけるDV被害の相談件数は、2006年度の711件を大幅に上回る1275件。5年間で約1・8倍に増加した。
すくらむ21は件数の増大について「DVの社会的な認知が高まったことで、相談者が増えたのでは」と指摘。「身近に潜む暴力の被害者を増やさないため早急に対策すべき。相談機関は『暴力は許さない』と発信することが大切。被害に遭ったら身近な相談窓口に連絡してほしい」としている。
全国ではDV被害、4人に1人
DVとは殴る、蹴るなどの身体的暴力だけではない。大声でどなる、無視する、生活費を渡さないなどの精神的暴力、嫌がっているのに性交を強要する、見たくないポルノビデオを見せる、避妊に協力しないなどの性的暴力も含まれる。
国内におけるDV被害の実態調査のため、内閣府男女共同参画局は昨年11月から12月にかけ、全国の20才以上の男女5000人を対象にアンケート調査を実施。その結果、約4人に1人が「配偶者からDVを受けたことがある」ことが分かった。
男女別では、女性の約3人に1人が配偶者からDVを受けた経験があり、約10人に1人は暴力を繰り返し受けていると回答。また、被害に遭った女性の約4割はどこにも相談していないという。
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