新百合ヶ丘総合病院の院長を務める 笹沼 仁一さん 新宿区在住 50歳
地域に寄り添う病院目指す
○…麻生区古沢に今年開院した新百合ヶ丘総合病院で職員500人を束ねる。377床という大規模な新規開院に立ち上げから携わった。目指すのは、いつも地域の人々の傍らにあり、頼れる存在であり続ける病院づくり。「患者さんはそれぞれに事情を抱えている。すべての人が満足する病院を実現させるのは至難の業かもしれないが、病院を運営する以上、限りなくそれに近づけていく努力をし続けなければと思う」。毎日病院に寄せられる様々な意見や要望と向き合う日々が続く。
○…1962年、福島県郡山市に生まれる。医学生の時、父親をクモ膜下出血で亡くし、脳外科医を目指すようになった。「それまでは内科の医者になろうと漠然と考えていたが、あの時初めて病気を治していくことへの決意と覚悟が生まれた」。臨床経験を重ねる中で、医療現場が抱える様々な問題と向き合った。医師不足や看護師不足―医療の現場の悲痛な叫びに、自分にできることがないかと模索する日々が続いた。
○…いつしか、医師や看護師がいきいきと働ける職場を作ることが、ひいては医療の底上げになると考えるようになった。「患者さんが何かあったらあそこに行きたいと思う医療現場は、必ずといっていいほどそこで働く人々が健やかな気持ちで働いている。笑顔は連鎖するから、そんな職場づくりができれば」
○…院長という立場ながら、当直もすれば救急の現場にも入る。救急で運ばれてきた患者から驚かれることもしばしばだが、現場を預かる長として、またひとりの医師として欠かせないことだと感じている。「今後は産婦人科や小児科など病院として特色ある得意分野をしっかりと確立していきたい。そのためにもしっかり現場のことを把握しなくては。魅力ある医療を発信していくことも、これからの病院にとってはとても重要。職員一同、一丸となって取り組みたい」
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