日本映画学校 最後の卒業制作を上映 37年の歴史に幕
麻生区万福寺にある日本映画学校が、前身の横浜放送映画専門学院から続いた37年の歴史に幕を閉じる。先月13日から15日には、最後の卒業制作学内発表会が行われた。同校は今月閉校し、築かれた伝統は4月から、一昨年設立された日本映画大学へと引き継がれる。
卒業制作の学内発表会では、8作品が3日間にわたり上映された。「日本映画学校ファイナル」と掲げ、第25期生約120人の学生が8グループに分かれ、昨年9月から2月までに作り上げられた作品だ。会場には指導にあたった講師や在校生約200人が詰めかけ、思いのこもった作品に熱い視線を送っていた。上映後には、講師らによる総評が行われ、活発な意見が飛び交い、会場は熱気に包まれた。
「周囲への感謝を痛感」
卒業を迎える関祐太朗さんは「映画はひとりで作るものではない。周りのものを純粋に良いと思うことがどれだけ重要か、感謝することがどれほど大切か、実習を通して改めて痛感した」と語る。また、神作裕司さんは「3年間でたくさんの人に出会い、一緒に映画を作ってきた。映画学校はとても人と人とのつながりが濃いような気がする」と話した。
多くの映画人を輩出
同校は1975年、映画監督・今村昌平氏が創設。前身となる「横浜放送映画専門学院」を横浜駅前に開校した。これまで三池崇史、佐々部清、李相日をはじめとする多くの監督や脚本家、俳優などを日本映画界に輩出してきた。その後、1985年に「日本映画学校」に名称を変更。翌年、新百合ヶ丘駅前に新校舎が誕生した。一昨年前には日本初となる映画の単科大学「日本映画大学」を開学。白山に新校舎を建設した。時代性を考慮し、より一層、教養のある映画人や人材を育てるため、同校は今春閉校し、建学の精神は同大学へ引き継がれる。
卒業制作を一般公開
学内発表会で披露された卒業制作は、あす2日から3日までスペースFS汐留(東京都港区東新橋1の11の16汐留FSビル)で一般公開される。当日は学生たちが手掛けた11作品が上映される。入場無料。詳細は同校ホームページ(http://www.eiga.ac.jp/gakkou/)まで。
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