麻生区 人物風土記
公開日:2013.11.15
川崎市介護支援専門員連絡会の会長として関係機関のパイプ役を担う
中馬 三和子さん
多摩区在住 47歳
身内ではなく「味方」になる
○…介護が必要となった人に寄り添い、自治体や福祉施設などと連絡調整を行う介護支援専門員(ケアマネージャー)。川崎市の介護支援専門員連絡会には現在520人が所属し、質の向上をめざしてプロに必要な知識や技術を学ぶ研修会を開いている。ケアマネージャーへの理解を深める広報活動に加え、医師会や看護協会との連携を図るのも大きな役割だ。「誰かが困っていれば、解決できる人までつなげてあげられる網の目のようなネットワークを地域でつくりたい」
○…これまでの経験からケアマネジメントで大切なのは「利用者の身内ではなく味方になること」だと感じている。利用者が認知症患者や寝たきりで話せない場合はその家族の訴えを聞くことが多く、共感や同情が本人でなく家族に向いてしまう状況もある。それでも専門職として「現場で一番苦しんでいるのは誰か」を見極める客観的な視点が必要だという。「身内では正しい判断ができないこともある。本人を助けることが、家族を助けることになる」
○…困っている人を放っておけない性格の父の影響からか、中学ではボランティア部に所属。老人ホームの慰問で行った二人羽織りが盛り上がったことを機に、中学校の体育館を使ってお年寄りとのつどいを開くことを思いついた。部活のメンバーだけでなく生徒会や関係のない生徒まで巻き込んだイベントとなり、集まった近所の高齢者を楽しませた。「ちょっとしたことで涙を流して喜んでくれることが印象的だった」
○…現在は、2015年度の介護報酬改定を見据えて各団体との意見交換や勉強会を行っている。高齢化が急激に進む中、限られた予算で地域支援事業を確立していかなければならない。だからこそ自助と互助のシステムを、地域とともにどう構築していくのか考える必要があるという。「高齢者支援について川崎市とともに考えていける会でありたい」
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