県立川崎図書館 移転先をKSP(かながわサイエンスパーク)に変更 企業支援に特化
殿町特区に移転するとされていた県立川崎図書館が、高津区にある「かながわサイエンスパーク(KSP)」に移転する方針であることが明らかになった。黒岩祐治県知事が12月2日の県議会代表質問で答弁した。
県立川崎図書館(川崎区富士見町)は自然科学・工業・産業技術の分野に特化した図書館。各企業が発行する専門誌や論文などを所蔵し、特許取得に必要な情報も案内している。
同館は、県の緊急財政対策の一環で、廃止問題が浮上していたが、川崎区殿町の「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」へ移転して存続する方針が示されていた。
しかし、黒岩県知事は12月2日の代表質問で「移転先はKSP(高津区坂戸)が総合的に適地であるとの判断にいたった」と答弁。「KSPは交通の利便性に加え、バイオやITなど先端技術産業が集積し、県の科学技術拠点である神奈川科学技術アカデミー(KAST)が入居している。川崎図書館の機能とKASTの機能を融合させるなど、いっそう産業の活性化につながる図書館にしていきたい」と変更の理由を述べた。
殿町の施設は、再生細胞医療分野に特化し、研究開発などの機能を有する施設として整備する方針。
県立図書館の運営を管理する県教育局生涯学習課によると、移転時期は未定。「現在県立川崎図書館がある富士見町の土地は川崎市が所有している。2018年度に川崎市の再編整備計画があるので、それがリミットになる」としている。
また同課は「企業支援に特化した特殊な図書館となるため、いわゆる一般的な図書館とは異なる」と新しい県立図書館の役割について話す。図書館の規模や場所、蔵書の数などはこれからの検討になるという。
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