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麻生区 人物風土記

公開日:2013.12.20

麻生消防署と災害協約を締結したスタント会社「タカハシレーシング」の社長
高橋 勝大(まさお)さん
片平在住 66歳

自分だけでなく人の為に



 ○…「他人事ではなく同じ街の仲間。災害時には少しでも役に立てれば」と語る。麻生区にスタント会社を設立し、約50年。これまで数々のドラマやバラエティー番組、事故再現VTRの制作に携わり、カースタントや火ダルマ、演出上の爆破などを手掛けてきた。制作会社からは撮影の安全対策や馬の扱い方などで困ったときに頼りにされ、「ボス」と呼ばれている。



 ○…群馬県出身。父は義太夫、母は日本舞踊の先生、兄は殺陣師、姉は女優という芸能一家で生まれ育った。3歳のころからたてがみを掴んで、馬に乗っていたという。幼いころから歌舞伎の子役の役を演じ、中学・高校時代には馬に飛び乗り、屋根から飛び降りるなど、スタントのようなことをし、俳優の兄を手伝っていた。「周囲の環境からやっているうちに、達成感やチャレンジ精神が生まれ、面白くなってきた。いつの間にかスタントが仕事になっていた」



 ○…生まれ育った環境は一見華やかに思えるが、あまり裕福ではなく、「幼いころ、子どもたちにはひもじさを感じさせまいという両親の思いやりがあった」という。それが大人になってからわかり、人への思いやりを大切にする。若い社員には困っている人がいたら、助けると教える。ロケの帰り道に足を止め、車のタイヤ交換で困っている人を助けたというようなエピソードは多々ある。今回の協約締結も思いやりの気持ちが膨らみ実現した。



 ○…ビートたけしさんと行ったバラエティー番組の撮影でのカースタントが思い出深い。たけしさんを横に乗せ、車ごとブロックにぶつかっていくシーンで、自らの口元にブロックが直撃。唇から鼻の下にかけて切れ流血したが、「血が見えると撮り直しになる。全体に迷惑をかける」とそれを隠し、カットを待った。後に3針を縫う大けが。自らの身体はボロボロだが、「自分のことだけ考えていてはダメ。みんなにとっていいようにしていかなければ」

 

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