「かわさき農作物ブランド品」にも指定されている「多摩川梨」の収穫が今月末から始まる。今年は雨量が少なく暑い日が続いたことから、甘みを含んだ果実が順調に育っているとのことで、豊作も期待されている。
「寒い日もなく、雨量も少なかったので糖度は上がっていく。実の付き方も良く例年よりも美味しい梨が出来ているはず」。区内早野で梨栽培を行う金子昇さん(80)は炎天下の畑で笑顔を見せる。
川崎市内で生産された梨は「多摩川梨」の総称で、直売やセレサモスでの販売が行われている。そのルーツは約250年前まで遡り、江戸時代初期に川崎大師河原周辺で梨栽培がおこなわれていた記録も残る。その後、中原、高津、生田と多摩川を上るように栽培地は広がっていき、大正時代には関東屈指の梨の産地となった。全国的に知られた「長十郎梨」は多摩川沿いで最初に栽培された種類だという。現在は市内約29万平方メートルで栽培が行われている。
様々な種類から好み探して
麻生区内では現在、十数軒の農家が梨を栽培。約30年続く金子さんの梨園約5000平方メートルでも大小さまざまな梨が収穫のタイミングを待っている。「梨は強風に弱い果物。実がなってからの1週間が大きくなる期間で、この時期に太陽に当たった梨ほど甘くなる。今年も良い梨が出せそう」と金子さんは期待を込める。
金子梨園では今シーズンは「夏水」「愛甘水」といった種類から始まり、「香麗」、「築水」、「幸水」、「あきあかり」、「秀玉」、「豊水」、「新高」などの種類が9月いっぱいまで楽しめるという。金子さんは「幸水や豊水など知られた品種ももちろんおいしいが、この地域ならではの梨もあるので生産者と話しをしてみて好みの梨を見つけて欲しい」と話している。
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