地域の福祉事業所などを訪問し、施設見学などを通じて一般の人にも知的や精神など、障害者への理解を深めてもらおうと開催されている「ふれあう訪問ミニバスツアー」。
百合丘地域生活支援センターゆりあすが09年度から、毎回いくつかのコースを設けて実施しているこのツアーでは、障害のある当事者がガイドとして帯同し、参加者と施設の橋渡しのような役割を担っている。この催しの初回から毎年ガイドを行っているのが千石あつしさん(56)=麻生区在住=だ。
9月に行われたのは、麻生区役所内にある地域作業所の製品を販売する「あさおのおみせ」や川崎授産学園、区内のハーブファームなどを巡ったバスツアー。千石さんは訪問先の情報収集や滞在時間などの事前調整、訪問時には参加者が理解しやすいよう、施設担当者へ質問を投げかけるなどの仕事を担当した。
10年以上勤めていた職場で心の病が悪化し、実家に戻り一日中ふさぎ込んでいたこと、地域の作業所に通う規則的な生活リズムが症状を改善させていったことなど、千石さんは移動中の車内で自身の経験を語っていく。「心の病気は薬を飲んだら絶対に治るとかではなく、自分で何とかしようとする気持ちとそれを支える環境が大事だということを伝えたい。施設のツアーや当事者のガイドが障害への理解に繋がっていけば嬉しいです」
ゆりあすの担当者は「バスツアーが市民の方々に福祉施設を知ってもらうためのきっかけ作り。これからも当事者がガイドで頑張っている様子を見てもらい、福祉への理解を広げていきたい」と話している。
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