麻生区に所在する戦国大名北条家の関連文書「北条家虎朱印状」が、このほど川崎市重要歴史記念物に指定された。
今回指定されたのは、「辛未(しんび)八月二十日付北条家虎朱印状」(1571年)と「己丑(きちゅう)八月晦日付北条家虎朱印状」(1589年)の二通。どちらも北条家の家印である虎の朱印が押されており、北条家関連の文書の中で畳刺(畳職人)について、初めて発見されたものとされる。「辛未八月二十日付」は、4代当主北条氏政が北条家に仕える畳刺の棟梁、弥左衛門(やざえもん)と配下に宛てて給与の受け取り方法の改定について書いたもの。「己丑八月晦日付」は、5代当主の北条氏直が弥左衛門とみられる畳刺に「辛未八月二十日付」に書かれた給与の受け取りを認めているもの。記載内容や、戦国時代の原文書として文書の様式や料紙の形など複数の情報を持つことから、歴史的・文化財的価値が認められた。
約180年ぶりに発見
二通は江戸幕府が編纂した地誌「新編相模国風土記稿」(1841年)の資料「相州文書」に記載され内容は知られていたが、原本の所在は不明だった。2014年度に市教育委員会実施の川崎市域古文書所在調査事業で調べたところ、区民が代々所有している文書として発見。専門家による詳細な調査を行い、史料的価値が高いことが明らかになった。
市教育委員会の担当者は「北条氏がどのように畳刺を統治していたのかや、紙の質・折り方など原本でないとわからない様々な情報を含む貴重な史料」と話す。今後は市のHPで詳細の公開を予定している。
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