都市デザインの専門家として学生らと金程の自由広場「カナドコロ」運営を行う 遠藤 新さん 百合丘在住 45歳
誰でも参加できる”場”作り
○…30年間利用されずに空き地となっていた金程の市有地を昨年10月、誰でも利用できるスペース「カナドコロ」として生まれ変わらせた。集いの場としての役割も備え、今月9日には雑貨店や飲食店などが集まるマーケットを開催。「子どもや地域の方にまずは来てもらい、のんびりした時間を過ごしてほしいです」
○…工学院大学建築学部教授。数年前、都内で行われた空き地利用に関するシンポジウムでコーディネーターを務めた際、川崎市の関係者から声をかけられた。「偶然、麻生区に住んでいたこともあり話が弾んで」というのがカナドコロ誕生の発端。産学公の連携で空き地を試験運用する試みとして、研究室の学生らと運営を担うことになった。「ここは自由に使えて、緑の力を生かしながら地域の方々と徐々に育てていく場所」。オープン後に日よけ設置や植栽を行うなど改良を加え、居心地の良さも増している。
○…工学院大学で教鞭をとることになった10年ほど前、区内に居を構えた。麻生区に住んでみての印象は「都心から戻ってくるとゆったりした時間があり、住環境が良いなって思います」。休日は子ども2人が通う野球チームでコーチを務めるなど「普段が忙しいので奥さんのサポートに努めています」と笑う。
○…現在は都内や岩手県でも関連事業に取り組む。プレイスメイキングの専門家として、人口減少社会が迫る現状を「空き地を建築的に利用する時代は終わった。建物ではない空間をいかに継続していくかが大事」。街中の広場など、コストをかければ何でもできるが維持することに課題は残る。「誰でも気軽に管理などに参加できるような、マネジメントの負荷軽減が実現できる仕組みを考えていくことが自分の役割だと思っています」
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3月15日
3月8日