レストランあさおで月1回提供する地元食材ランチのメニューを考案する 田中 隆さん 多摩区在住 69歳
どんな素材も手を抜かず
○…区役所にある「レストランあさお」総料理長として、今年3月から月1回提供している地場産素材を使った「かわさきそだちランチ」のメニュー考案に取り組む。「その時期の旬野菜を使うなら肉なのか魚なのか、どうやったら美味しく料理が出せるか。いろいろ考えたメニューが毎回好評なのは嬉しい」。
○…生まれ育ちは岩手県。高校卒業後にバレーボールの地元実業団チームへ進む予定だったが、腰の不調を心配した両親の説得で料理人を志すことに。「手に職をつけてコツコツ働こうと。あとコック服に魅力を感じたのも理由ですね」と当時を振り返る。「職人気質の世界だから厳しい言葉や人間関係もあった」と一筋縄ではいかない世界に身を置き、都内ホテルなどで腕を磨いていった。町田のレストラン閉店に伴い、10年ほど前に誘われたのが今の職場。「高い安い関係なく、手を抜かずに頭も身体も使う。本当に料理を作る姿勢はここで学びました」
○…現在の暮らしは妻と愛犬「コタロウ」と。子ども2人が娘だったこともあり、息子のように雄犬との日々を楽しんでいる。「朝晩30分程の散歩が日課。コタロウも同じくらいの年齢になってしまったけど、寝る時は今でも添い寝でね」とその溺愛ぶりは職場でも知られた話だ。
○…上司から「衛生面の厳しさを持ち、お客さんのことを常に考えている料理人」と頼りにされる存在だが、自らが考えている引退の年齢まであと数年。「ここで学ばせてもらった、料理に向き合う正しい姿勢や思いをスタッフに伝えていきたい。それが恩返しだと思っている」ときっぱり。「身近な産地の野菜は安心感が違う。地元野菜を丁寧に美味しく、そんなメニューをこれからも考えていきたい」。
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2021年1月8日号
1月8日号