麻生市民館で2月15日に開催する「空と、木の実と。」の上映会を企画する 藤本 加奈さん 白鳥在住 34歳
カテゴリー決めない人に
○…麻生市民館の企画委員として「若者の生きづらさ」を年上の人にも知ってもらいたいと人権講座の企画を担当。2月15日にはジェンダーが題材のドキュメンタリー映画「空と、木の実と。」の上映会を行う。昨春、同作品に出会い「一人でも多くの人に見てもらうべき」と、上映機会を模索し気合と根性でこぎつけた。映画を観て「男女というシステムや目に見えない固定観念を、自分事として考えてほしい」と呼びかける。
○…幼少期はずっと考え込んでいる「暗いヤツ」。性的マイノリティを自覚し、自身の存在価値について絶望する日々だった。転機は「考えるのやめたこと」。20歳の頃、大学の課題レポートに表現活動の楽しさを見出した。夢中になれたことと忙しさで考えることがなくなった。課題の成果も周囲に評価され自信にもなった。
○…卒業後はシステムエンジニアとして約10年勤務。忙しい会社からゆとりのある会社に転職すると自分と向き合う時間が多くなった。途端に「20歳までの自分が戻ってきて、生きづらさに耐えられなくなった」。職場の人間関係にも悩み、会社もやめて実家に戻った。そして「お金を稼ぐことも人から認められることも1回全部諦め、人のためになることをしよう」。衝動を行動力に変え、現在は13ものボランティアを兼任する。
○…麻生区の印象は「のどかで映画館があるのが嬉しい」と目を細める。大切なのは「人の属性や枠組みで判断するのではなくて、その人自身とコミュニケーションをとること」。活動の根本にあるのは、LGBTや映画などカテゴライズされた様々なコミュニティを行き来して、コミュニティの境界線をなくすことだ。「カテゴリーを決めない人になりたい」
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