川崎市が市立小中学校165校での開設を目指してきた放課後学習支援「地域の寺子屋」が、事業7年目で56校にとどまっている。市は今年度計画に新設33校を掲げるが、先月までに1校のみ。運営団体の発掘に力を入れるも、達成のめどは立っていない。
NPOや市民団体が市の委託を受け、子どもの学習や体験の場を提供し、支える同事業。原則として学校単位で開設され、小学校は校内施設、中学校は町内会館などでも運営されている。
2014年度の事業開始以来、市は21年度までの完了に向けて市立小中学校で開設を進めてきたが、小学校は114校中51校、中学校は51校中5校にとどまる。市教育委員会の担当者は「運営してくれる人たちがいて初めて成り立つ事業。保護者やPTA、住民ら数人の実行委員会で運営するケースもある。広報を強化し、担い手の候補者を少しでも確保したい」と力を込める。
市内で唯一、中学校2校で合同開設する「まなてら運営委員会」(多摩区)は委員4人のほか、講師の社会人や大学生ら十数人が運営に携わる。委員長の池上紅実さん(48)は「学校との情報交換や連携がスムーズだと運営しやすい」とし、「塾と併用する生徒もいる。子どもの学ぶ環境の選択肢を広げる意味で、寺子屋が担う役割は大きい」と手応えを話す。
調整中は10校未満
昨年度の新設実績は小学校での8校。事業推進のため、市は前年比約1千万円増の9千万円近くを今年度予算に計上した。年度内に33校の新設を目指すが、先月開始した稲田中学校(多摩区)のみで、調整中の学校は10校に満たないという。
講師育成の施策として行う養成講座は今年度、1回4講座で9回にわたり計画。今春は新型コロナウイルスの影響で2回分が中止になったが、先月から再開している。
今年度の既存の寺子屋運営は休校措置の影響で、中学校は先月中旬から順次再開。小学校では運営側との調整が進められ、今月から9月ごろに再開していく見通しだ。
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