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大薗一樹さん 世界で一つの立体切り紙 15日新百合ヶ丘で作品展示

社会

掲載号:2020年11月13日号

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くじらの作品を手にする大薗一樹さん
くじらの作品を手にする大薗一樹さん

 15日開催のあさお芸術のまちコンサートに作品を展示する大薗一樹さん(下麻生在住=26)。高校生の時に出会った”立体切り紙”に衝撃を受け、独自に開発。これまで千を超えるほど作品を作り続けてきた。「どうやって作るかを考えるのが楽しい」と大薗さんは話す。

 一樹さんは1歳7カ月の時に、小児がんの一種の血液疾患を発症した。首のあたりが膨らみ、「おたふく風邪かな」と病院に行くが原因は不明。さらに大きな病院で検査し、病名が判明した。就学前はクリーンルームでの治療など入退院を繰り返した。「大人になれるかも分からなかった」と母のヒロ子さん。腫瘍による下肢の麻痺により中学3年生から車いすを使用するようになった。

 一樹さんが作る”立体切り紙”は、一枚の紙をハサミで切り、動物や昆虫などを表現するアート。一見、切ったままの紙を見ても何の動物かは分からない。ただ体の形どおりに切るのではなく、紙を折り返すなどして立体になるように工夫。切り紙には一樹さん独自のアイデアが詰まっている。事前に切り取り線は描かず、ハサミを進めていく。設計図は大薗さんの頭の中にだけにある。すべての作品は1点ものだ。

 高校1年の夏、郡上八幡(岐阜県)の美術館で見た立体切り紙のスズムシに心を奪われた。「僕にもできるかも」と家に帰り、自己流で制作を始めた。試行錯誤を繰り返すうちに、紙を折り返して作る角や牙、触覚などの表現を開発していった。「作品を作るのも好きだけど、一番楽しい時間は『どうやって作ろうかな』と考えるところ。ワクワクする」。寝ているときにアイデアが出てくることが多いという。

 立体切り紙だけでなく、バイオリン演奏も得意で、県立麻生養護学校高等部卒業生によるアンサンブル麻生OBOG会に所属し、演奏会にも出演する。楽譜は読めないけど、音を聞けば奏でられるという。「立体切り紙は一人だけど、バイオリンはみんなでやるから、一緒なのがうれしい」と笑う。

自信を見つけた

 ヒロ子さんは「本人にとって、中学3年生のときに歩けなくなったことが、とてもショックだったと思う」と振り返る。一樹さんは「なんで生まれてきたんだろう」と思ったこともあったという。「一樹がいかにみんなに必要とされているか」「一樹しかできないことがあるはず」と、ヒロ子さんは一樹さんに話しかけ続けた。

 そんな時、立体切り紙に出会い「自分ができること」に自信を持てた。ある日、一樹さんは「お母さん、産んでくれてありがとう」と笑顔で言った。ヒロ子さんは今でもその声、表情を鮮明に覚えている。

 一樹さんの作品が展示される『あさお芸術のまちコンサート』は新百合トウェンティワンホールで11月15日(日)に行われる(午前11時45分〜)。会場では、あさおパラアート作品展も行われ、立体切り紙のほか麻生青年教室、織風会、アトリエ・アンカラなどの作品も並ぶ。ミニコンサートには一樹さんも出演する。

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