「有効活用できるものは、環境のためにも活用した方が良いと思って」-。リサイクル堆肥づくりを行っている区内黒川の「市川進養鶏場」の市川雅貴さん(30)は、現在、コーヒーショップで排出されるコーヒーや、お茶の粕と鶏糞を混ぜて堆肥を生成し、それを使って野菜を育てる取り組みを行っている。
黒川で代々農家を営む市川進養鶏場の市川さん。養鶏場では、鶏糞を発酵させて処理しなければならず、これまで主に家庭で使う堆肥にしていた。2年程前、自身も参加する麻生区の若手農家グループ「畑から台所へ。」の中で、多摩市のコーヒーショップ「タックビーンズ」を営む松崎雄大さんと出会った。
コーヒー豆を焙煎した際に出るコーヒーの薄皮を有効活用できないかと考えていた松崎さん。以前からリサイクルに興味を持っていた市川さんは、大手飲料メーカーから排出されるコーヒー粕を使って堆肥作りを行っている企業があることを思い出し、コーヒー豆の薄皮やドリップした後のコーヒー粕を定期的に分けてもらうことに。加えて、新百合ヶ丘駅前のカフェからもコーヒーやお茶の粕を分けてもらって堆肥づくりを始めた。
良い土壌の基に
堆肥づくりは、まずコーヒー粕に剪定枝を混ぜて一次発酵。次に鶏糞を混ぜて2次発酵させ、乾かして完成。生成期間は約2カ月。コーヒー粕を使用することで、脱臭効果が生まれ、野菜づくりに良いとされる微生物のすみかになりやすいという。「化学肥料を使いがちな中で、こうした堆肥を使うことで畑も元気になる。野菜の品質につながっているかは、まだわからないですけど」と効果について話す。
今後は、黒川周辺に多い竹のチップも混ぜた堆肥を作っていくことも考えている。「コーヒー粕は捨てるのに、お金をかかるし、湿っているものを焼却するには、より燃料を使うことになる。こうしてリサイクルできて、良いものが作れるのであればやっていきたい。地元の人にも知ってもらえれば」。今後も、仲間とともに、リサイクルを取り入れた農業を行っていく予定だ。
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