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公開日:2021.07.02

川崎市
生ごみ堆肥で食循環
区内2カ所でも受け入れ

  • コンポストの中身を混ぜる天野さん

  • 生ごみ堆肥を入れた土に触れる松下さん(左)と島貫さん

 川崎市は民間企業3社と協働し、食資源循環を目的とするプロジェクトを先月開始した。家庭から排出される生ごみ削減のため、麻生区内2カ所を含む市内の農園などで生ごみ堆肥の受け入れと活用を進める。



 プロジェクトは「エコワリング川崎」という総称で、市と(株)電通、ローカルフードサイクリング(株)、(株)トラストリッジが協力。取り組みの一つとして、市内の各世帯が自宅で生ごみを堆肥化し、農園など市内8カ所の受け入れ場所に堆肥を提供する「共助型フードサイクル」を行う。



 市内で焼却ごみの2割程度を占める生ごみ削減のため、市は活動助成など生ごみ堆肥化を進めている。一方、市民から堆肥の活用場がないといった声もあり、堆肥受け入れで課題解決をめざす。



農園、花壇に活用



 区内の受入れ先、市民団体「環境を考え行動する会」(片平)は、ダンボールコンポスト(生ごみ処理機)の普及に取り組んでいる。2007年の発足から、約2300人に堆肥化の方法を教えてきた。



 土壌改良の効果が高いとされる生ごみ堆肥。代表の天野悦子さん(68)は「堆肥に混ざった種から、芽を出すこともある」と特徴を語る。同会メンバーがつくった堆肥は、同会の実験農園、吹込やはるひ野の花壇に使用されている。



 市民から受け入れる堆肥は連携する農園で活用。天野さんは今回の取り組みに「生ごみを焼却ごみにしないことで、生活スタイルの見直しにもなる。温暖化を防ぐ一歩になる」と期待する。



「ふわふわの土に」



 「ヒサマツ自然農法の会」(東百合丘)は、松下久江さん(69)と島貫松江(72)さんの姉妹による農園。15年ほど前から、近隣住民の協力で集まった生ごみを畑の土に入れ堆肥化し、400坪以上の畑に使用してきた。「生ごみ堆肥の入った土はふわふわとやわらかい。今はナス、キュウリ、トマトの栽培に使っている」と松下さん。育った野菜は農園入り口で販売もされている。



 受け入れ堆肥も野菜作りに使われる。松下さんは「もっと生ごみを普通のごみとして捨てないことが進めば」と話す。



 家庭からの生ごみ堆肥は、受け入れ先に電話かメールで事前連絡し、郵送か持ち込みで受け入れる。連絡先など詳細は市HP「 生ごみの減量化・資源化」に掲載。

 

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