麻生区 トップニュース社会
公開日:2021.10.15
山ゆり号
改善重ね運行10年
百合高生がマスコット作成
百合ヶ丘駅周辺や高石地区を循環するコミュニティバス「山ゆり号」が運行開始から先月で10年を迎えた。主に高齢者に利用されているが、赤字運営が続く中、同運営委員会は利用促進を図り、高校生考案のマスコットキャラクターを先月末に決定した。
山坂の多い高石地域にコミュニティバスを走らせる動きは約20年前に住民から始まった。自治会・町会で協議会を立ち上げ、5、6年ほどルート設定や試行運行を繰り返した。2011年9月に、住民で組織する山ゆり交通事業運営委員会、市まちづくり局、運行を担う(株)高橋商事(多摩区)の三者協力で本格運行を開始。10年間で、新車導入、ルート変更など改善を重ねてきた。
利用の中心は高齢者。高石地域から生活圏の百合ヶ丘駅や読売ランド前駅に出るには、急坂や狭路を通り徒歩10分以上かかる。運営委員会の岡野幸雄会長(91)は、「高齢者にとって自分の足で買い物できるのは、生活の楽しみでもある。利用者から『山ゆり号があるから長生きできる』と聞くと、やってきた甲斐がある」と話す。
一方、運営は赤字が続く。収入源は運賃だが、利用者数は採算が取れる1日100人には満たない。不足分はサポーター登録料や広告料で補てんするが、サポーター登録数は最大160人から減り、現在は100人以下。運行継続のためには利用者やサポーターの増加が必須だ。
運営委員会の田渕治恵さん(71)は「誰も得していない状況で『やめたら』という声も聞く。それでも必要としている人のためにも、なんと言われても止めるわけにはいかない」と使命感を語る。
「若い力活用して」
10周年を記念し、利用促進や地域連携を目的にマスコットキャラクターが作成された。県立百合丘高校(多摩区)の美術部が6候補のデザイン案を手がけ、7月に地域向けの投票を実施。総投票数450票のうち、同部の小林さくらさん(2年)による「ユメノミ」が212票を集め、マスコットに決まった。
幼稚園児くらいの猫というユメノミは「山ゆり号の利用が多い高齢者にとって、親しみが持てるよう孫をイメージしながら描いた」と小林さん。今後は停留所の時刻表や車体に登場できるよう、活用するアイデアがあがっている。
岡野会長は「バスの運行は地域住民だけでやろうとしてもダメ。マスコットをきっかけに、若い人の能力やエネルギーが継続のカギになれば」と話している。
ピックアップ
意見広告・議会報告
麻生区 トップニュースの新着記事
コラム
求人特集
外部リンク
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!













