父親が始め、けん玉やこまなど木地玩具の製造・卸売を手がける博進社(千代ヶ丘)に、7年前から夫とともに加わる。会社は今年、創業50年を迎えた。
幼少期を過ごした細山は「野山を駆けめぐる」という表現がぴったりな「ほんとに田舎」。戸建ての家が増え、人口が増えていくのを肌で感じた。金程中は1期生。制服や体操着は、自分たちでデザインを選んだ。
小学生のときに麻生区が誕生し、新百合ヶ丘駅前の一帯にレンガ造りの区役所や麻生市民館、消防署ができた。「それまで用があれば向ヶ丘遊園駅の多摩区役所に訪れていたのが、『近くに新しい区役所ができた!』としばらく新鮮なイメージだった」と懐かしむ。
社会人になって故郷を離れたが、子どもが小学生になったタイミングで実家の近くに戻ってきた。子どもは転校生という立場だったが「周囲のお母さんたちがあたたかくて、都内とも違う雰囲気」と感じた。
博進社は親の代で閉じるという話もあがったが「ずっと見ていて馴染みのある商品がなくなるのはもったいない」と継ぐことを決めた。川崎市のロゴマークをモチーフにしたこまは、「自分が会社に入ってから初めて形になったもの」と思い出深い商品だ。
10年後を目標に、多様なつながりや居場所のあるまちを目指す「あさお希望のシナリオプロジェクト」に参加する。活動の中で「地域ってなんだろう」と考える機会も増えた。大切だと感じるのは「ゆるっとつながっていること」。高齢化が進む麻生区。10年後のまちは「楽しく安心して暮らせるように、歩いていける範囲で満たされる、顔見知りのほどよい関係が必要だと思う」。住民目線で見守る。
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