東百合丘の田園調布学園大学で、学生や教員が一同にヒヤシンス栽培に取り組むプロジェクトが今月始まった。コロナ禍で緊張が続く中、「花を育てることでちょっとでも楽しみになれば」と、プロジェクトが行われている子ども未来学部の内藤知美学科長は語る。
水耕栽培キットを使って、一人ひとりが花の色が異なる3つの球根を育てていくという同プロジェクト。保育士や幼稚園教諭の資格取得を目指す学生が多く在籍する同学部の学生、教職員に約400セットを配布する。花が咲くのは3月〜4月。成長の過程や開花の様子は写真に残し共有する予定だ。
「一緒にできる企画を」
新型コロナの流行により、特に2年生は昨年の入学以来、ほぼ1年オンライン授業が続いた。内藤学科長は「どの学年も大変な時を過ごしているが、対面授業が始まってから、友だちをつくるのに慎重で、緊張して過ごしているように見えた」と語る。
そこで「集まって食事をするようなことはまだできないけれど、心をほぐし、みんなで一緒にできることを」と一斉栽培を企画した。ヒヤシンスは保育の現場でも教材として扱われることもあり、選ばれた。
12月10日には、2年生に水耕栽培キットが内藤学科長らから手渡された。「面倒と思っているかもしれないが、咲き始めたら楽しいと思うかも。成長を楽しむ経験をしてほしい」
学内にある畑での栽培など自然に触れる機会も多い同大。しかしコロナ禍では実習の中止や変更が相次いでいる。「小さくても自然に触れる経験を」とのねらいもある。
今後は区との合同事業で自然に触れる体験も企画したいという。内藤学科長は「ヒヤシンスを育てる経験が麻生区の自然に出会うきっかけになれば」と願っている。
![]() 栽培キットをもつ内藤学科長
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