小倉百人一首を使い、記憶力や札を取るスピードが求められる競技かるた。かるたの季節ともいえる新春、麻生区内の競技かるた部の様子を紹介します。
「気軽で奥深い競技」麻生高校
県立麻生高校の競技かるた部は週3回、試合を中心に練習している。部員数は15人。4年前に同好会から部に昇格した。
映画『ちはやふる』をきっかけに、「かるた部に入るため麻生高校に入学した」と語るのは、部長の齋藤瑠奈さん(2年)。高校生から始めた部員が多く、モットーは「楽しく、かるたをやる」。卒業生が教えに来ることもあり「上から下へ伝えみんなで高め合う」のが同部の特徴だ。
部員にはそれぞれ、「得意札」と呼ばれる好きな札や取るのが得意な札がある。副部長の戸川春佳さん(同)にとっては「おくやまに」から始まる猿丸太夫の歌だ。「百人一首で最初に覚えた歌。毎試合、絶対に相手に取らせないと思っているし、取る・取られるでモチベーションも変わる」と語る。
1試合で1時間半続くこともある。「集中力や精神力、それに記憶力が必要。かるたのおかげで暗記系の教科が少し楽になったかも」と齋藤さん。かるた競技について戸川さんは「札、読み手、相手がいればすぐにできる。気軽にできるけれど奥が深いので、多くの人に一度経験してみてほしい」と話している。
「誰にでも勝つチャンス」桐光学園
桐光学園競技かるた部の部員数は55人。週4日、中学、高校の男女が合同で練習している。平日1試合、土日は2試合行い、先輩から後輩へアドバイスを行うなど、部員同士で切磋琢磨し合う。昨夏は団体戦で神奈川県ベスト4に。
12月に行われた文化祭では、中学3年生と高校2年生による団体戦を来場者の前で披露。この日は全員が袴姿で試合に臨み、7組が1対1で勝負した。
札の場所を覚える15分の暗記時間を経て、試合開始。上の句が読まれ始めるとほぼ同時に、畳に並べられた下の句の札へ手がのびる。先に自陣の札をなくしたほうが勝ち。敵陣の札を取ると自陣から札を渡すことができるため、札の並べ方も個人で工夫する。
結果は5対2で高2が勝利。部長の浅井ゆめ乃さん(高2)は「いつも中高生で一緒に練習しているが、高校生の意地を見せられた」と語る。副部長の今野日翔さん(同)は「後輩の成長も感じられた」と話す。
かるたの魅力は「大人、子ども、男女関係なく戦い、誰にでも勝つチャンスがあるところ」と浅井さん。県代表で全国大会の団体戦表に出場することが部の目標だ。
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