1月28日に恒例の「だるま市」が行われる、麻生不動院の住職 森 光彦さん 王禅寺在住 49歳
信頼され、長く続く祭を
○…麻生不動院の年明け初の縁日にあわせ、参道にだるまや飲食の露店が並びにぎわう「だるま市」。どんな悪天候でも開催してきたが、昨年は新型コロナの影響で中止に。「長年携わってきた80代の人が『初めてのこと』と言うくらい。親しまれている祭でも、コロナには勝てなかった」と残念がる。同時に「いくら開催したくても地域の皆さんの信頼がなければ成立しない」と痛感。今年の開催に向け、今は関係各所との調整が続く。
○…東京・日野市で生まれ育つ。証券会社のサラリーマンだったが、王禅寺の娘である妻と結婚し、20代で修行を始めた。その過程は「これも縁なのかな」と朗らかに振り返る。現在は副住職で、2017年には王禅寺の末寺・麻生不動院の住職に。寺仕事で関わる中、麻生区の住民は「お寺や神社に親近感を持ってくれている。お寺のことを一緒に盛り立てくれる人が多い」という印象を抱いている。
○…「後ろ向きに捉えていても仕方ない」と、物事の考え方は常にポジティブだ。普段過ごしている王禅寺の境内は、四季折々変化する自然や、参拝者との会話に「飽きることがない」と笑顔で、日々の充実感を滲ませる。高2と小6の息子には「こちらから跡継ぎを無理強いすることはない。自然と継ぎたいと言ってくれるのを待ちたい」と目を細める。
○…戦後から現在のようなにぎわいを見せ、ピーク時には1日で6万人が訪れたという、だるま市。その姿は地域の看板とも言えるが、続いてきたのも「信徒と地域の人が協力してつくってきたお祭り」だからこそ。今後も今の形で続けていくことと、「『関東納めのだるま市』と言われるからには、関東中から来るようになってほしい」と野望ものぞかせる。
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