県立麻生養護学校高等部アートコース音楽グループの卒業生で結成される「アンサンブル麻生OBOG会」(熊谷百合子代表)が先月、文部科学大臣表彰を受賞した。障害者の生涯学習支援活動への功績が認められた。熊谷代表は「今後も音楽演奏を継続することで、緩やかで豊かな趣味の時間を共有していきたい」と抱負を語る。
2006年に開校した県立麻生養護学校高等部は、コース制を採用。表現支援コースの中のアートコースは、生徒たちが美術グループと音楽グループに分かれて、3年間さまざまな経験を積む。その音楽グループは、週に2回、バイオリンとフルートのどちらかを選んで練習。肢体不自由や、知的障害がありながらも「アンサンブルあさお」として楽器にふれて楽しむ活動を行っている。
同校を卒業後も音楽を続けていこうと2009年に「アンサンブル麻生OBOG会」を発足。「一生の趣味、一生の友を」を合言葉に、月に一度、母校に集まり、同校の教員や在学時と同じように認定NPO法人ミュージック・シェアリングから派遣される音楽家の指導のもと活動を続けている。メンバーは同校卒業生、家族、指導者を含め55人。年に一度、発表会を開催するほか、地域や福祉施設と連携して、町内会のイベント、祭りなどでも演奏を行う。熊谷代表は「子どもたちは表現が得意になり、自分の楽器を持つ子も増え、大きな自信になっている」と活動の成果を語る。
今回、障害者が障害を通じて教育やスポーツ、文化などのさまざまな機会に親しみ、豊かな人生を送ることができるよう、障害者の生涯を通じた多様な学習を支える活動を行っているとして、神奈川県の推薦を受けて、文部科学大臣表彰を受賞した。
熊谷代表は「学校の先生方や、ミュージック・シェアリングの指導者の皆様のおかげで今までやってくることができた。長年の活動のご褒美として受賞できたのでは」と喜ぶ。今後については「養護学校で培った楽器演奏を継続することで、緩やかで豊かな趣味の時間として共有していきたい。コロナが収束したら、発表会を行いたいので、その際はぜひ見に来ていただけたら」と抱負を語った。
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