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麻生区 人物風土記

公開日:2022.02.04

麻生区の精神科嘱託医を務め、厚生労働大臣表彰を受賞した
水間 哲郎さん
百合丘在住 78歳

信頼関係で治療を支援

 ○…麻生福祉事務所の嘱託医として20年以上にわたって、川崎市の福祉行政に多大な貢献をしたことが認められ、昨年12月に厚生労働大臣表彰を受賞した。現在も、麻生区役所で一般精神保健相談をはじめ、障害支援区分認定審査会委員、認知症サポート医として訪問支援事業のアドバイザーも務めている。栄えある表彰の受賞に「非常に光栄です」と笑顔で語る。

 ○…横須賀出身。2歳の時に、母親の実家がある広島に疎開。爆心地から2キロほど離れた場所で被爆した。建物の下敷きになり叔母に助けられたが、弟は爆風に飛ばされて亡くなり、友人も白血病などの後遺症で亡くした。「被爆者の治療をしたい」。その思いから医師を志した。慶応大学医学部に入学。当時、医学界でも精神疾患に対する認識が低く、「精神的な病を治すことも大事なことでは」と感じ、精神科医の道を歩み始めた。

 ○…町田市内の精神病院に務めた後、万福寺に『ガイアクリスタルクリニック』を開業。「地域の精神科医として地域医療に貢献したい」と2000年に麻生区の嘱託医に。「病気を治していくのは患者さんご本人。相談に乗り、助言や薬を出す。そうした支援をするのが役割」と治療に対する考え方を語る。麻生区は穏やかな人が多く、自身の性格と合ってか「ゆっくりと診療にあたれる」と笑みをこぼす。

 ○…診療のために自身の精神衛生の安定と睡眠を心がけ、日々のウォーキングや音楽鑑賞を欠かさない。社会が複雑化する昨今、ストレスによって心の病を抱える人が増えている。「治療だけでなく、予防や病にかからない生活環境づくりが大事。その環境づくりに取り組んでいきたい」と目標を語る。信頼関係を大切に、地域と連携して心の病に向き合っていく。

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