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麻生区 人物風土記

公開日:2022.03.25

4月に片平の修廣寺で行われる「夏蒐寄席」に出演する
柳家 小はぜさん(本名:辻浦 和哉)
麻生区出身 39歳

「和顔愛語(わげんあいご)」で一席

 ○…「暖かくなり、眺めもいいお寺で落語ができるのが楽しみ」。落語家らしく、明るく軽妙にしゃべる。4月に片平の修廣寺で開催される「夏蒐寄席」に出演する。「昔と今とそんなに景色が変わらず、どこに行ってもすぐに当時のことが浮かぶ」という、ふるさと麻生。気負わない環境で「普段通りにやりたい」と落ち着いて語る。

 ○…東柿生小、柿生中を卒業し、少年時代は野球に熱中。人前で話すことは苦手だった。柳家小三治さんの落語に衝撃を受け、落語家になると決意。勤めていた会社を辞め、2011年12月、小三治さんの弟子・はん治さんに入門した。「あまり欲は強くないほう」だが、思い切って道を変えたのは「好きなことをできるのは今しかない」と、その年の震災を経て強く思ったからだ。16年に二つ目昇進。日々、芸を磨く。

 ○…現在は町田市三輪町に住み、小田急沿線の会場や、鶴川などでも落語会を開く。古典落語の滑稽噺を中心に、他ではあまり演じられない噺にも挑戦。「自分のものになるかはわからない。それでも何かのためになると思ってやる、苦行のようなもの」と苦笑い。演じるときは、噺の内容や言葉をわかりやすく改変することはしない。「元々ある落語を、僕なりにお客さんの前で演じてみて、それで落語のよさが伝われば」

 ○…この2年、マスク生活で、対面する人同士が口を開けて笑い合うことが少なかった。だからこそ、今回の寄席には「口が笑わないと目も笑わない。お寺という身近な場所で、少し日常を忘れて、マスクの中でも大きく口を開けて笑ってほしい」と、願いを込める。「和顔愛語」--。柔和な表情と穏やかな振る舞いで、あたたかな笑いを届ける。

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