麻生区 社会
公開日:2022.04.22
麻生と私 第11回 区制40周年企画
子どもはのびのび育って
小島澄人さん(67才)=上麻生在住
この春に創立から61年目を迎えた柿の実幼稚園(上麻生)。「この辺りでもいちばん古い」と話し、20年前の多い時には約1500人の在園児を抱えた「マンモス園」としても知られている。40年以上子どもたちと関わり、現在は5代目の園長として、日々成長する姿を見守っている。
約4万坪の敷地には、畑やアスレチックなど自然に触れあうことができる場所が豊富。子どもたちはジャガイモやサツマイモなどを苗植えから収穫まで一から経験する。「自然環境は人が教える以外のことを教えてくれる」という思いからだ。取れた野菜は園門の前で販売し、近隣住民とつながる役目も果たす。
障害があり支援を必要とする子も、そうでない子も一緒のクラス。自然の中で共生しながら過ごす子どもたちは「目がかがやいて、いきいきしている」とほほ笑む。
幼稚園ができて18年目の頃。高校の教員だったが、結婚を機に妻の実家が経営する同園の職員になった。入った当時は女性が中心の職場。「自分ができることを」と、手つかずだった植木や畑の整備、バスの運転手などの仕事を買って出た。アスレチックも手作りした。
「柿生に教育が実るように」。そんな思いと、創立者の一人から「実」の字をとり「柿の実」の名が付いた。今年3月で総卒園生数は1万6千人以上に。卒園生が成人を迎えて遊びに来ることや、結婚式で流すビデオの撮影に訪れることもある。「子どもにとっても思い出が詰まった場所になっているのかな」とあたたかな眼差しを向ける。
時代とともに幼児教育の現場は変化しているが、「子どもはみんなのびのびと精一杯生きてくれれば。区内のこども園、保育園、幼稚園の垣根を越えて連携していきたい」
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