新緑の季節を迎え、区内の所々の道路脇で、コスモスのような黄色の花が鮮やかに咲き誇っている。この花は「オオキンケイギク」という名で、日本の生態系に重大な危険を及ぼす「特定外来生物」。川崎市では「絶対に摘んで持ち帰らないで」と注意を呼び掛ける。
区内の王禅寺東や尻手黒川道路沿い、世田谷通り沿い、柿生陸橋などで見られる「オオキンケイギク」は、キク科の多年草。見た目はきれいでも、日本の生態系に危険を及ぼす恐れがある植物として「特定外来生物」に指定されている花だ。環境省では、全国的に栽培や運搬、販売、野外に放すことを禁じている。
環境省が発行する資料によると、オオキンケイギクは北米原産。強健で冬季の雑草抑制効果が高く、花枯れ姿が汚くないという理由で、以前は緑化のため道路ののり面などに利用され、ポット苗として生産・流通されていたという。一方で、その強靭(きょうじん)さで一度定着すると、在来の野草を駆逐し、周囲の景観を変えてしまうため、2006年2月に「特定外来生物」に指定された。
多摩市立グリーンライブセンターでみどりの相談員を務めるスタッフによると「駆除していかなければならない花。似たような園芸種があるので、間違えないように」と話す。
市環境局では「市内の分布がどのくらいかは把握できていない。問い合わせがあれば、対応している」と語る。咲いている場所が民有地であれば、所有者に連絡をし、駆除を依頼しているという。「特定外来生物だということがまだ知られていないので、ウェブサイトやチラシで啓発していきたい」と話し、「見かけたら連絡(同総務部企画課【電話】044・200・3720)を。持ち帰ったりしないように気を付けてほしい」と呼び掛けている。
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