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公開日:2022.07.29
麻生中3年川口さん
バトン世界選手権へ
来月2日から伊で開催
8月2日から伊・トリノで行われる「第35回世界バトントワーリング選手権大会」に、市立麻生中学校3年の川口調(しらべ)さん(14)が出場する。バトン操作の技術と芸術性が総合的に評価されるフリースタイル個人の日本代表に選ばれた川口さん。「悔いなく、できるすべてを出し切りたい」と意気込む。
バトントワーリングは、棒状のバトンを体の一部を使って回転させたり空中に投げたりする操作と、身体の動きを音楽に合わせて組み合わせるスポーツ。大会では技術や芸術性が審査される。
世界選手権は1980年に始まり、2年に1度開催。39カ国が参加する。日本代表は3月の選考会で決定。川口さんはフリースタイル個人・男子ユース(12歳〜17歳)部門に出場して1位になり、初めて世界選手権出場の切符を掴んだ。同部門には川口さんを含め日本から3人が出場する。
川口さんは、6歳上の兄と4歳上の姉がやっていたことがきっかけで興味を持ち、3歳からバトンを始めた。競技歴は12年目。「難しい技ができたときの達成感や、自分の演技に対して周囲から反応をもらえるのが楽しい」と魅力を語る。これまでに全日本選手権や全日本ジュニア選手権に何度も出場し、出場部門で1位に輝いている。
表現力が強み
素早いバトン操作と、身体表現や体操などの技術も必要とされるバトントワーリングだが、川口さんが最も得意とするのは表現力だ。幼少から芸能活動も行っており、ミュージカルやテレビドラマに出演。人前で演じることを楽しんできた。川口さんは「これまで培ってきたことを武器に、表現したいことをバトンにうまくのせられるところは、自分の大きな強みだと思う」と自信を見せる。
世界選手権で披露するのは映画「マスク」の挿入曲『Hey Pachuco』を使用する演技。アップテンポの明るい曲調にあわせて踊り、次々と技を繰り広げる。「曲の歌詞にあわせて表情を変えたり、客席に向かって指をさしたり、見ている人を盛り上げる構成。表現力を最大限に生かせる」と川口さん。近年出演したミュージカルで、バレエやダンス、アクロバットを鍛えたことも、今回披露する大技につながっているという。
所属する自由が丘バトンクラブの指導者、栗田綾子さん(72)は「調くんはエンターテインメントの素質がある。本番は思い切って表現してほしい」とエールを送る。
幼い頃から大会の映像を見て憧れていた世界選手権。大会直前となり、ミスが多い点を克服しようと練習に励む。川口さんは「ミスをするとへこんでしまい気持ちのアップダウンも大きい。本番が近づき焦りもあるけれど、後悔のない演技をしたい」と目標を語る。
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