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麻生区 文化

公開日:2022.08.26

色重ね描く 神秘の北欧
画家・石井清さん

  • 石井清さん=片平のアトリエ

  • 画集の表紙

 片平在住の画家・石井清さん(81)は、かつて暮らし、その後も度々訪問するフィンランドを題材に、半世紀以上パステル画を描き続けている。



 武蔵野美術大に在学中だった1964年、石井さんは芸術の都パリにシベリア鉄道を経由するルートで向かった。途中、フィンランド・ヘルシンキに着いたが、そこでパスポートと現金をなくしてしまう。パスポートの再発行を待つ間、偶然過ごすことになったフィンランド。「人々の親切や、幻想的で美しい自然に心惹かれてしまった」。パリ行きはやめ、皿洗いなどの仕事をしながら約2年滞在し、絵を描き続けた。



 帰国後はテレビ局の美術部に就職するも、絵を描きたい一心で30歳の頃、専業画家に。毎年のように現地を訪れ、神秘的と感じた湖や森、街の風景を目に焼き付け、何色ものパステルを重ねて表現してきた。



 フィンランドの一番のお気に入りは、太陽が沈まない「白夜」。作品としても多く描いてきた。コロナ禍でしばらく滞在できていない今は、ロシアのウクライナ侵攻を受けた、同国のNATO(北大西洋条約機構)加盟の動きを注視する。



 石井さんの作品は、8月30日(火)まで新百合ヶ丘エルミロードで展示中。日本とフィンランド、2つの故郷を描いた数々が並ぶ。石井さんは「絵を通して、国のことを少しでも理解してもらえれば」と話している。

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