栗木の伸和コントロールズ(株)(山本拓司代表取締役社長社長)は、環境保護の一環として4年前から社員食堂で週に一度、動物性食材を代替肉などに置き換えた食事を提供している。9月10日には小中学生による「麻生区SDGs推進隊」が同社を訪れ、「ミートフリー」の食事を体験した。
同社は1962年に設立。人工透析装置やデンタルチェアなどに使用されるバルブや、半導体製造に使用する精密温調装置などを開発している。長野や九州に工場を構え、30年前に栗木に本社を移転した。
製造時に環境負荷がかかる半導体製造だが、半導体製造に関わる同社は、電力消費の少ない新型装置の開発や、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みを行っている。社員食堂では、動物愛護や肉の生産に伴う二酸化炭素の排出量抑制のため、週に1度、肉食を避ける世界的な運動「ミートフリーマンデー」に賛同。毎週金曜日を「ミートフリーフライデー」として、代替肉などを使用したメニューを提供している。
米、中、韓などにも拠点を持つ同社。「グローバル展開が進む中、社員に世界の食文化を理解してほしい、という思いもある」と広報課の向山優樹さんは話す。
小中学生が体験
「麻生区SDGs推進隊」は(一社)サステナブルマップが主体で、区内のSDGs達成に向けた取り組みを小中学生が調査し可視化する活動を行っている。同隊は昨年度の成果報告会で、ゲスト出演した同社から社食の取り組みを知った。そこで、今年度の活動では、同社協力のもと食事を体験することに。
同社を訪れた子どもたちは製品や半導体などについて学んだ後、カレー、サラダ、プリンを実食。カレーにはキノコやナスのほか、「大豆ミート」が使用された。プリンには卵や牛乳の代わりに、かぼちゃ、豆乳、寒天が使われ、味や触感の違いを味わった。
食後、子どもたちからは「給食で取り入れたら多くの肉を減らせると思う」「これから自分の家でもやっていきたい」と感想が挙がった。
向山さんは「取り入れた当初は肉を食べたいという社員から反対の声もあったが、今では定着している」と過程を話す。今後は「なかなか実現は難しいが(本社のある)マイコンシティのみなさんを社食に招待することもアイデアとして挙がっている」と展望を語る。
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