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公開日:2022.11.04

細山土曜会
100周年記念 句集を発刊
郷土俳句の歴史つむぐ

  • メンバーの(左から)花輪さん、石田さん、谷代表、関森さん

 1920年に発足した句会「細山土曜会」(谷文子代表=人物風土記で紹介=)は先月、100周年を記念した「ほそやま句集」を発刊した。同会は、松尾芭蕉の類縁関係にあるとされる天野桃隣を祖とする句会「太白堂桃家(たいはくどうとうけ)」の流れをくむ、歴史ある句会。谷代表は「伝統を絶やさないよう、少しでもメンバーを増やして続けていきたい」と話す。

 2020年に発足100周年を迎えた同会。70、80周年時に記念句集を製作しており、節目となる100周年でもつくろうと計画していた矢先、新型コロナが感染拡大。昨年から制作に取り掛かり、先月完成した。

 現会員の谷代表、関森田鶴子さん、石田厚生さん、花輪佳子さんの4人に、退会、他界したメンバーらが伝統行事や自然、日常などを詠んだ380句を収録。関係者をはじめ、川崎市市民ミュージアムや、麻生図書館などに寄贈を予定している。編集を担当した石田さんは「会をけん引されてきた先輩方が物故され、退会された方も多く、手探りでの句集づくりになった」と話す。谷代表は「良いものができあがった」と自負する。

伝統継承を

 1886年に細山村にいた白井清三郎が「太白堂桃家」から、4世玉花園の立机(りっき)(俳句の先生になること)を許され、その系譜を継ぐ5世玉花園・箕輪誠之(せいし)らが1920年に細山土曜会を発足。農村だった細山では、俳句が数少ない娯楽だったとされ、年代を問わず、近隣からも多くの人が足を運んでいたという。地域の自然や農業を詠んだ句も多く残されている。

 同会では、五・七・五、季語、切れ字などを活用する伝統俳句を重んじ、近年は月に一度、細山会館で句会を開催。その場で講評は行わず、持ち寄った句に点数をつけ、各々が投句の研鑽を積むのが同会の特徴だ。5年前に入会した花輪さんは「ベテランぞろいで、職人の世界みたい」と会を称する。

 30年前は20人を越える会員がいたものの、高齢化などで年々その数が減少。今は4人で活動している。石田さんは「地域の他の会も閉会したりと我々だけの問題ではない。郷土俳句の火を絶やさないための策を、みんなで考えていきたい」と訴える。谷代表は「人数を増やし伝統を絶やさないように、活動を継続していきたい」と今後の活動を模索していく。

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