麻生区 コラム
公開日:2023.01.27
柿生文化を読む
シリーズ「草創期の柿生中学校」『うれ柿』と学校生活の思い出…その2【1】文:小林基男(柿生郷土史料館専門委員)
部活動と体育行事
校舎は間借りで、満足な運動場もなく、手造りの新校舎の建設が始まると、その手伝いも授業の中に組み込まれるなど、教育課程も手探りの状態でスタートした中学校生活でしたが、そうした中でも、比較的家の手伝いの少ない農閑期などの放課後を使って、2年目の昭和23(1948)年度には、早くも部活動がスタートしています。男子の部活では、何といっても野球部が花形で、『うれ柿』第1号は、「部員数は100名になんなんとしている」と記しています。この年昭和23年度は、新1年生を加えて初めて3学年が揃ったのですが、3学年合計の生徒数はピタリ290名でしたから(男女別の生徒数は不明)、男子生徒のおよそ7割が野球部に殺到したのですね。練習場が十分にはなく、練習も毎日は出来ない環境にあっても、それでもボールを追いかけて動き回ることで爽快感を味わっていたのでしょう。狭い校庭での週に2回の練習では、練習不足は明らかでしたから、川崎市の大会などでは出ると負けの日々でしたが、それでも大会などには、必ず出場していました。体育館もありませんから、他の球技も似たような状態でしたが、男女の駅伝部だけは、まだ自動車の少ない公道でいくらでも練習ができましたから、毎回好成績を残していたようです。
(つづく)
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