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麻生区 コラム

公開日:2023.02.03

柿生文化を読む
シリーズ「草創期の柿生中学校」『うれ柿』と学校生活の思い出…その2【2】文:小林基男(柿生郷土史料館専門委員)

  • 家庭科の研究授業 調理室がないので、渡り廊下の庇を利用して豆腐作りの実習

  • 第1回運動会(昭和23年10月)全校生徒の演技

 文化部の活動は活発で、社会科研究部や理科研究部の研究成果が、うれ柿第2号に掲載されています。それだけではありません。これは部活動ではないのですが、職業科の農業コースの生徒たちが、農産加工の勉強の一環で、味噌麹の製造法を勉強し、実際に味噌麹製造実習を行った実習記録も掲載されています。いずれも大変な力作で、生徒たちが調べにのめり込み、夢中になって調べた様子が良くわかる作品でした。味噌麹の製造実習は、10月25日から28日までの4日間を要し、この間午後10時や午前2時の作業が必要ですから、代表の生徒3人が、指導の中山先生と共に3日間学校に泊まり込んで、発酵に相応しい温度管理と水分調整を担当した様子が、リアルタイムで書かれています。教員が宿直を担当していた時代ですから、先生の泊りは珍しくないのですが、中学生が3日連続で学校に泊まり込むことが許可されていたのですね。どんないきさつで許可になったのか、70年近い歳月を経た今となっては、調べるすべもないのですが、きっと2代目校長の小島喜芳先生の英断だったのでしょう。

(つづく)

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