麻生区 社会
公開日:2023.08.04
希少な「カノコユリ」開花
千代ヶ丘・中嶋さん宅で
千代ヶ丘の中嶋秀明さん宅の庭で7月15日、カノコユリが咲いた。
百合丘の地名の由来となったとされる「ヤマユリ」。かつて麻生区には、ヤマユリが多く咲いていたが、カノコユリも各所で花を咲かせていたという。
カノコユリは、日本固有種で、日本に自生する15種類のユリの一つ。九州や四国に分布しており、環境省のレッドリストに登録されている絶滅危惧種だ。花に絞り染めの「鹿ノ子絞り」のような模様が入っていることから、その名が付いたとされる。花弁が大きく上に反り返るのが特徴で、大きさは8センチから12cm程あり、多くは下向きに咲くという。
中嶋さんは、30年程前に千代ヶ丘に転居し、趣味で花を育ててきた。5年前に知り合いからカノコユリの球根を分けてもらった。「見たことがないピンクのユリなので、大事にしないと」と思ったという中嶋さん。ヤマユリが咲いているところなどにも見学に行き、ユリの育て方なども学んだ。水はけのよい土壌、直射日光を避けるようにし、10月頃には、根を掘り上げて、乾燥させ消毒をして植え直す。この作業を繰り返してきた。
例年は、8月初めに花を咲かせるが、今年は例年よりも2週間早く咲いた。15株ほど育てている中嶋さんは「雨が少なく、気温が高いことが影響しているのでは」と分析。咲かせた花は、麻生いけばな協会に所属する知人にも分けて、作品にしてもらったという。中嶋さんは「ヤマユリだけでなく、麻生に自生していたピンクの『カノコユリ』があったことも多くの人に知っていてほしい」と話した。
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