戻る

麻生区 社会

公開日:2023.12.15

麻生警察署
特殊詐欺防止に感謝状
三菱UFJ銀行員2人へ

  • 左から、飯塚さん、玉置署長、山口さん

 麻生警察署(玉置敏也署長)は12月1日、特殊詐欺防止を未然に防いだとして、三菱UFJ銀行新百合ヶ丘支店の飯塚奈美恵さん(49)、山口しのぶさん(58)に感謝状を贈呈した。

 11月6日、70代女性が同支店を訪れた。飯塚さんは、受付で来店の理由を聞くと、「約束があり、ここに来るように言われた」「電話で還付金の手続きがあると言われた」と答えたため、すぐに還付金詐欺だと疑い、本人に伝えると、本人は疑っていない様子だった。さらに話を聞いていくと、すでに都内の銀行で振り込みをしてしまっていたという。詐欺だと確信し、警察を呼び、さらなる被害を防いだ。

アンテナ高く

 11月20日、同支店を訪れた80代の女性が番号札を引かずに待っていた。受付にいた山口さんが声を掛けると困った顔で「相談をしたいことがある」と言われ、札を取るように案内。順番が回って来るのを待っている間も女性と何度か目が合った。すると「息子が倒れてしまって病院にいる。吐血して、がんかもしれないから、今日中にお金が必要になるかもしれない。何百万か用意した方がいいと電話口で言われた」と女性。すでにATMで大金をおろしていた。一連の会話の中で、詐欺で使われるキーワードがいくつも出ていたことから、山口さんは詐欺を疑い、警察を呼び、被害を未然に防いだ。

 飯塚さんは「還付金詐欺のことが盛んに言われている中でも、まだ信じる方が多くてビックリしている」と驚いた。続けて「女性は高額な医療費を払ったことがあるため、還付金があると聞いて信じていた。アンテナ高く話をちゃんと聞いてあげることが大切だと思った」と話した。山口さんは「先日、警察の方に来てもらって、オレオレ詐欺などの勉強会をさせてもらった。それで再認識したし、自分の親にも電話がかかってきたことがあり、正常な判断ができなかった。そういう方が窓口に来たら、話を聞き、被害に遭わないように努力していきたい」と抱負を語った。

区民の財産守る

 玉置署長は「職場教養が行き届いている。本来の仕事をしている中で特殊詐欺に関心を持ってもらい、詐欺だと思って声を掛けてもらった結果、阻止という形になった。区民の財産を守ってもらい、感謝したい」とお礼の言葉を2人に掛けた。

 今年1月から11月末時点での同署管内の特殊詐欺の被害件数は41件(前年比同)で、被害総額は1億4千万円(前年比50%増)。同署の担当者は「ATMでお金が戻ってくることはない。留守電、録音機能のついた電話などで対策をしてほしい」と話している。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

麻生区 ローカルニュースの新着記事

麻生区 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS