川崎市教育委員会は、市立学校のトイレ環境を改善しようと、和式トイレを2022年度までに全て洋式に変える方針を決めた。昨年度に設計などの準備を進め、今年度は30校で工事完了を目指す。今後は完了に向けて着手校数を増やすことが課題になる。
市は22年度までに市立の小中学校、高校、特別支援学校の全175校でトイレの快適化を行う。快適化では、和式トイレの洋式化、清掃のしやすさを考慮し床をタイルからビニールに変更の2点が柱となるほか、環境に配慮して照明を省エネ効果のあるLEDに付け替えたり、節水のため手洗い場を自動水栓にする。
今年度は大島小、南河原中など30校で快適化の工事に着手し、2校で再生整備によるトイレの改修を行う予定だ。学校トイレの排水管は最下階から最上階を縦に結ぶ構造で設置されており、各階のトイレの汚水が同じ排水管を流れる。そのため、「系統」と呼ばれる排水管ごとの単位で水を止めて工事を行う。工事は授業への影響がない夏休みを中心に進める。
昨年度に再生整備が完了し、全トイレが快適化した市立幸町小学校(幸区)の教諭は、トイレ快適化について「子どもたちは、洋式トイレに慣れている。照明が以前より明るくなり、臭いも改善されたことで行きやすくなった」と話す。市の担当者は「洋式化を基本に進めているが、便器に肌が触れるのを嫌がる声もある」とし、各校の要望を踏まえて和式を残すなど、臨機応変に対応している。
年間着工数に課題
市は17年度末に3カ年計画として策定した「かわさき教育プラン第2期実施計画」の中で、今回のトイレ快適化に関する方針を示している。18年度までには、校舎の建て替えや新築により26校で快適化が完了。今年度からは毎年約30校で快適化する計画を目標としており、最終年度の22年度には52校の改修が必要だ。市の担当者は「目標年度までに全校で快適化を完了させるには、年間で着工する学校を増やす必要がある。予算との兼ね合いもあるが、完了を目指して取り組んでいく」と話す。
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