市立南河原中学校(稲毛伸幸校長)で11月26日、いじめや虐待など子どもの権利侵害の相談窓口となる人権オンブズパーソンによる「子ども教室」が開かれた。相手の立場に立って考えることの大切さを伝え「苦しんでいる人は一人で悩まないで」と呼び掛けた。
「人権はいつも当たり前にある空気と同じ。目に見えず普段は意識しないが、なくなると途端に苦しくなる」-- 。池宗佳名子さん(代表人権オンブズパーソン)は生徒に訴えかけた。
人権オンブズパーソンは、子どもの権利や男女平等にかかわる人権侵害に対して相談や救済の申し立てを受け付ける機関。生徒たちに人権の大切さや、相談窓口があることを知ってもらおうと、2006年度から市立中学校などに出向き、「子ども教室」を実施している。
池宗さんは1年生約110人を前に、「学校でからかいを受ける生徒」を例に、想定される具体的なエピソードを交えていじめについて解説。「やっている側がいじめと思っていない場合でも、受け取り方は違うかもしれない。相手の立場に立って考えることが大切」と話し、「まずは誰かに相談してほしい」と呼びかけた。
当日はバイオリニストで川崎市市民文化大使を務める大谷康子さんも演奏を披露した。合奏の際の「息を合わせること」の大切さを伝え、「相手がどう感じるか、想像力を働かせて思いやることがみんなで生きていく上で重要」と力を込めた。
相談、コロナ禍の特徴も
人権オンブズパーソンの20年度(20年4月〜21年3月)の報告書によると、新規の相談件数は141件で前年度比71件減だった。一方、学校の臨時休業中だったためSNS関連の問題が発覚まで時間を要すなどして複雑化するケースも見られた。申し立て時期が遅く新年度に持ち越すケースが多いなどコロナ禍による特徴もあったという。
相談は【フリーダイヤル】0120・813・887(月・水・金曜=午後1時〜7時/土曜=午前9時〜午後3時)。無料、匿名でも相談できる。
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