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新春インタビュー 世界で輝く相模原人 ピアニスト 倉澤杏菜さん

文化

公開:2017年1月5日

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 遠い異国の地・ドイツで奮闘する相模原市出身のピアニストがいる。倉澤杏菜さん(33)。

 物心ついた時から、鍵盤に親しんでいたという倉澤さんがピアノを実際に習い始めたのは4歳の時。音を楽しむことを覚え、後のピアニスト人生を支える「耳をつくった」。音楽科のある高校に進学すると、とにかく図書館に通い詰め、音楽に関する書籍を読みあさり、クラシック音楽のレコードを聴きあさる日々を送る。授業が終わると、「とりつかれたかのように」図書館に向かい、先輩や同級生たちとピアノを弾き合い、語り合った。幼少時代に育てられた耳に加え、専門的な知識を存分に身に付けた。

 桐朋学園大学音楽学部卒業後は、念願の音楽の本場・ドイツへの留学を叶える。しかし、理想と現実は違った。ドイツで生活を始めると、「知っている人」がいない孤独感に襲われ、ホームシックに。言葉も文化もわからず、「無駄に傷ついた」ことも多々あった。そんなある日、いつも通りレッスンに向かうと、講師に「レッスンをしない」と突き返された。理由を聞くと、携えて行った楽譜を1週間あれば覚えられたはずだと言われた。全力を出していない人間に教えることはないという訳だ。はっとした。「どこか甘い自分がいた」と倉澤さんは振り返る。大学時代までは総体評価の中でそれなりに評価され、無条件に目をかけてもらえる環境があったが、ここでは知らず知らずのうちに気が緩んでいたとしてもおしりを叩いてくれる人はいない。常に自ら全力で取り組まなければならない音楽の本当の厳しさを知った。

 その後、倉澤さんはドイツで芸術家として取得できる最高峰の資格・国家演奏家資格を取得。ピアニストとしてデビューした。「(プロは)ステージ上での責任の重さがある。時間やチケット代をいただいている限り、予想通りもしくはそれ以上の演奏をしなければいけない」

 「ドイツでは一生外国人」。一人の外国人として胸を張って生きていきたい。そのためにも良い演奏活動を続けることは必須だ。「もちろん故郷・相模原も大切にしたい」と倉澤さん。外に出たからこそ、「地元」があることの有り難さを痛感している。ドイツと相模原、所変わっても演奏への思いは変わらない。自らをも奮い立たせてくれる音楽を共に感じ、楽しむ空間の演出。「完璧」のない世界への終わりなき挑戦はつづく。

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